西武・上間「永遠」に忘れないプロ初勝利…緊張無縁の沖縄出身マイペース右腕が堂々5回1失点

[ 2021年4月28日 05:30 ]

パ・リーグ   西武3ー1ロッテ ( 2021年4月27日    メットライフD )

<西・ロ>辻監督(右)からプロ初勝利を祝福される上間(撮影・尾崎 有希)
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 沖縄が生んだ西武の新星が6連敗中のチームを救った。念願のプロ初勝利。上間はお立ち台で「2年目の上間永遠(とわ)です。これからもいい投球を続けていきたいです」と初々しい笑顔を見せた。

 マウンドでは堂々たる投球を披露した。3回に荻野の適時打で先制されたが、なお1死一、三塁では中村奨に外角カットボールを打たせ投ゴロ併殺。「狙い通り。自分のどこに打球が来てもいいように準備していました」と胸を張った。4、5回は3者凡退。5回1失点で先発としての役目を十分に果たした。

 良くも悪くも超マイペースな性格。コロナ下を象徴する報道陣の電話取材では「え~と…」と数十秒の沈黙が流れることもある。同郷のお笑いコンビ「スリムクラブ」が2010年のM―1グランプリ決勝の大舞台で独特の間を貫いたように、中学時代に出場した全国大会など大舞台でも緊張とは無縁。母・多美子さんに「9回裏満塁で逆転されそうな時、どう思う?」と聞かれ「う~ん、別に…」と答え「そこは気にしようよ!」と諭されたこともある。それでもプロを夢見て島を出る決意をし、大分の強豪・柳ケ浦に進学。独立リーグの四国・徳島でも経験を積み、プロへの道を切り開いた。

 チームが8試合勝利から遠ざかっていた正念場でも臆することなく、三度目の正直でプロ初勝利をつかみ「最少失点で抑えられたのはよかった」と笑う。「永遠に何でも続くように」と母が願いを込めた名前。大型ビジョンにはファンの「永遠に勝ちにつなげるピッチング期待してます」の文字が躍っていた。(花里 雄太)

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