阪神・佐藤輝の歴史的一撃! 3&4月ではドラフト制以降の新人最多に並ぶ7号「いい感じで打てました」

[ 2021年4月28日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神1-2中日 ( 2021年4月27日    バンテリンD )

<中・神(4)>2回2死、阪神・佐藤輝は右中間に先制のソロ本塁打を放つ(投手・大野雄)(撮影・坂田 高浩)
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 記録的一撃! 阪神・佐藤輝明内野手(22)が、27日の中日戦で昨季の沢村賞左腕・大野雄から先制7号ソロを放ち、4月までのドラフト新人最多本塁打記録に肩を並べた。同18打点も2リーグ制以降の球団新人最多記録を更新。ただチームは1―2で敗れ、連勝は2でストップ。背番号8はチームの勝ちにつながる一打を、積み重ねていく。

 球史に名を残す一打は「怪物」にふさわしい圧巻の放物線を描いた。相手が沢村賞投手だろうと、球場がリーグで一番、本塁打が出にくいとされる広大なバンテリンドームだろうと関係ない。佐藤輝が初見参の名古屋で、あいさつ代わりの一撃をたたき込んだ。

 「高めに浮いてきた甘い球だったので、それを一発で打てたことがよかったと思います。いい感じで打てました」

 2回2死無走者。背番号8のバットが火を噴いた。カウント1―1。甘く入ってきたと見るや、思い切り振り抜いた。快音を残した打球は、右翼席中段へ。衝撃弾に球場が騒然とする中、悠然とダイヤモンドを一周。7度目の「Zポーズ」で決めた。

 早くも自身2度目の2戦連発。しかもチームが敵本拠地での対戦では13年を最後に黒星を付けることができていない“天敵”との公式戦初対決でいきなりアーチをかけてみせた。これが実は、阪神の左打者が大野雄から放った初本塁打でもあるから価値は増す。井上ヘッドコーチも「森下とか大野とか(から打つ)、そういう星を持っている。確かに素晴らしい一発」と、まな弟子の躍動に目を細めた。

 記録ずくめの一発だった。03年に村田修一(横浜)が記録した4月までのドラフト新人最多本塁打7本に肩を並べ、同18打点で2リーグ制以降の球団新人最多記録を更新し、72年5月の望月充以来、球団新人3人目となる月間6本塁打をマークした。だが、騒ぐ周囲を横目に、本人は泰然自若の姿勢を貫く。「そこについては特に意識はないですけど」。この記録への“無頓着”ぶりは、野球を始めた頃からだ。

 「個人記録というか…ただ打ちたいだけじゃないですかね。逆に言えば打てなかったら楽しくないんで。そのためにしっかり練習して打ちたい」。小学4年の2月頃に放った人生初アーチから、ホームランの魅力にとりつかれた。以後ひたすらに、ひたむきに、一瞬の感触を追い求め続けて、今に至る。

 第2打席は左飛、3打席目は四球を選び、4打席目は回ってこなかった。本塁打を打てばオープン戦から12戦連続無敗だったが、その“不敗神話”もストップ。だが、決して下は向かない。「もっと打ってチームの勝ちにつながる一本を打っていけるように頑張ります」。敗戦直後、その視線は早くも、前に向けられていた。(阪井 日向)

 ○…佐藤輝(神)が2回に先制の7号ソロ。4月までに7本塁打はドラフト制以降(66年~)入団の新人選手では03年村田修一(横浜)に並ぶ最多。残る4月3試合で2リーグ制以降の新人最多、50年戸倉勝城(毎日)の9本超えを狙う。佐藤輝は7本塁打のうち4月に6本。2リーグ制以降、阪神新人の月間6本塁打以上は69年田淵幸一の10月7本に次いで、72年望月充の5月6本に並ぶ3人目。また4月までの18打点は50年徳網茂の17打点を抜いて、2リーグ制以降のチーム新人単独最多となった。

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