広島・森下がマルチ&8回1失点 「二刀流」で爆勝劇演出 チームトップタイ3勝目

[ 2021年4月28日 05:30 ]

セ・リーグ   広島10-1DeNA ( 2021年4月27日    マツダ )

<広・D(4)>3回2死一、二塁、広島・森下は中前に適時打を放つ (撮影・奥 調)
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 広島の森下暢仁投手(23)が27日のDeNA戦で8回3安打1失点の好投をみせ、チームトップに並ぶ3勝目を挙げた。打っても一挙7得点を奪った3回に適時打を放つなど通算2度目の1試合2安打。エンゼルス・大谷がリアル二刀流で完全復活した日に、負けじと「二刀流」の活躍を披露した。打線は今季初の先発全員安打で最多10得点。チームは今季2度目の3連勝で4月19日以来の貯金1とした。 

 自ら課題をあげ、修正できるのも森下の強み。自身初の連敗で迎えた一戦。「(課題を)ずっと考えていた。(勝ち越した先のカードの)巨人戦も見ながら刺激をもらった。流れに乗らないといけないと思ってマウンドに上がった」。8回を投げ四球はなく1死球のみ。球が浮くなど制球に悩まされた直近2試合の姿はなかった。

 「(与四球4だった)前回と違って、四球が少なかったというのと、ストライク先行でいけたのが良かった」

 シュート回転する原因でもあった「体が開かない」ことを意識し、105球中ボールは21球。打者28人に対し初球がボールだったのは5人。全ての変化球を思い通りに操れたからこそ、徹底してストライクゾーンで勝負できた。失点は4回に佐野に被弾したソロのみ。9連戦初戦で8回まで投げ、佐々岡監督からは「リリーフ陣を休ませてくれたのは大きい」と称えられた。

 打っても2回に今季初安打の左前打を放ち、3回2死一、二塁では中前適時打で4点目をあげ、この回7得点につなげた。自身2度目の2安打。定評のある打撃でも魅了したが「たまたまです」と照れ笑いを浮かべた。

 投打の「二刀流」が森下の原点。大東中軟式野球部では投手兼遊撃手として全国大会に出場し、大分商でも遊撃手として頭角を現した。美しい投球フォームは一塁送球を繰り返すうちに自然に身についたもの。「元々は内野手。他の練習で投げることが多く、いつの間にかブルペンで投げる必要がない…という感覚はあった」。今年1月の鈴木誠らとの合同練習にも投手として唯一、参加。「必要な練習が投手と野手で違うというのは、僕にはよく分からないんです」と振り返る。

 この日の球場入り前には大リーグ・エンゼルス戦を時間の許す限りチェック。「2番・投手」で先発した大谷と同じ2安打を放ったが「比べないでください」と制して笑った。

 「徐々に徐々に(調子を)つかんできた感じ。いい球も出てきている」。本調子ではなかった過去2試合は決して無駄ではなかった。(河合 洋介)

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