【記者リポート】六大学野球史上初 歓声なき無観客…それでも開催に「ありがたい」

[ 2021年4月26日 05:30 ]

東京六大学野球・第3週第2日 ( 2021年4月25日    神宮 )

<明大・慶大>東京六大学野球リーグ戦史上初の無観客試合が開催された(撮影・小海途 良幹)
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 4都府県での緊急事態宣言を受け、リーグ史上初めて無観客で開催された。立大野球部OBで、本紙アマ野球担当キャップの川島毅洋記者(42)が、大学野球の聖地・神宮の「歴史的な一日」をリポートした。この日は2回戦2試合が行われ、立大は全4試合に登板している宮海土投手(3年)が3回無安打無失点で早大を下し3連勝。慶大は明大に4―1で競り勝った。

 1925年(大14)に始まった東京六大学野球が、初めて無観客で開催された。神宮球場には無観客と知らずにチケットを求めるファンも多数、訪れた。

 吹奏楽の応援団やプロ球団のスカウトも入場できない。場内の売店も閉まり、普段は鼻をくすぐる名物そば店のだしの香りも漂わなかった。ファウルボール回収、バットボーイ役など、控え部員の入場は各校12人まで。それ以外の部員は球場に来られなかった。

 両校のベンチからの声、投球時に「ウッ」と発する投手の声も響く。明大・田中武宏監督は「不思議ですね。スタートはリーグ戦という感じがしなかった」と振り返った。

 開催延期も検討されたが、スケジュール面で調整が難しかった。東京六大学野球連盟の内藤雅之事務局長は「学生や応援団が一体となるのが本来の東京六大学野球。一刻も早く元の姿に」と言った。政府の方針に沿ってリーグを運営することを昨年から徹底。今回も苦渋の決断だった。

 慶大・堀井哲也監督が試合後に発した「こういう状況でも野球ができるのはありがたい」との言葉が胸に響いた。無観客でも、歴史あるリーグ戦が開催できたことを前向きに捉えたい。記者は20年以上前、立大の野球部員だった。3年秋のリーグ戦で一度だけ、登板した。私のように、1試合だけしか神宮球場でプレーできない学生もいるだろう。

 法大時代に同リーグで最多の通算48勝を挙げた全日本野球協会(BFJ)の山中正竹会長は「スポーツは健康と平和な環境でやることが大前提。運営する側もプレーヤーもみんなが努力して試合ができている。スポーツで勇気づけられる方もいると思う」と話した。早く日常が戻ってほしい。(川島 毅洋)

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