広島・誠也 今季初3番で一矢報いた 菅野から“連弾” 打線改造に佐々岡監督「あとは野手の奮起」

[ 2021年4月24日 05:30 ]

セ・リーグ   広島1-2巨人 ( 2021年4月23日    東京D )

<巨・広>6回無死、菅野(左)からソロ本塁打を放つ鈴木誠(撮影・木村 揚輔)
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 広島は打順組み替えが実らず、23日の巨人戦に惜敗した。2点を追う6回、今季初めて3番に入った鈴木誠也外野手(26)が難敵・菅野から左翼中段へ6試合ぶりの5号を放ったが、得点はその1点だけ。8回2失点と力投した九里亜蓮投手(29)に2敗目が付いた。チームは3連敗で借金2。踏ん張りどころだ。

 鈴木誠が鮮やかな放物線を描いた打球は敵地の左翼席中段へ飛び込んだ。2点を先取された直後の6回先頭で6試合27打席ぶりの5号。菅野が2球続けた勝負球のスライダーを完璧に捉えてみせた。

 「いい反応で打てました。その前のボールよりも若干、曲がりが緩かったので。でも、たまたまです」

 直前、内懐から鋭く曲がったスライダーには「手が出なかった」。フルカウントとなり、わずかに甘く入ったそれを見逃さないのが値打ちだ。菅野からは9年目で初本塁打した前回9日に続く2発目。通算150号にも王手をかけた。8回1死一塁では強烈な左前打。相手が菅野でも、タイミングさえ合えばこの通りだ。

 開幕から24試合目にして4番を外れ、初めて3番で出場した。打率こそ3割をキープしていても、3月31日の阪神戦を最後に本塁打以外の適時打がない現状。「打撃はゴミ」と自嘲し、主軸としての責任を強く感じ取る。

 「毎日いろいろやってはいますが、攻め方も違うので、そう簡単にはいかない。上向いてくれればいいけど」

 ただ、3番・鈴木誠は機能したものの、全体では依然つながりを欠いた。2回1死二、三塁では、内野ゴロでも先制できる状況でクロンが空振り三振。8回1死一、二塁でも4番・西川が二ゴロ併殺に倒れ、力投の九里を援護できなかった。

 「なかなか点が取れていないので、今日は3番・誠也、4、5番を左打者で組んだ。投手陣が踏ん張っているので、あとは野手の奮起というところ」

 佐々岡監督はため息交じりに説明する。何しろ、最近10試合で1得点以内は実に7試合を数え、そのうち4度が無得点の惨状。安打は出ているだけに、打線がつながり、好機で1本が生まれれば反転攻勢への道は開ける。

 「初回から打席が回ってくるので、しっかり後ろにつなぐ。4番も同じですが、自分で決めようという意識が強くなり過ぎる時があるので、3番の方が合っている…と」

 鈴木誠は以前、打順についてそう語った。菅野を撃ち、兆しは見える。打線全体を活気づけ、重い空気を振り払う一撃に期待だ。(江尾 卓也)

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