近本も「阪神特急」に乗り込んだ　出遅れていたリードオフマンが今季初猛打賞の4安打

セ・リーグ   阪神10ー7ヤクルト （ 2021年4月18日    甲子園 ）

＜神・ヤ＞8回無死、阪神・近本は左前打を放ち、この日4安打とする（撮影・北條　貴史）
Photo By スポニチ

　好調なチームにあって、出遅れ感が強かったリードオフマンが復調の兆しを見せた。近本が今季初の猛打賞となる4安打の固め打ち。3得点と役割も果たした。

　「4安打よりも3得点の方がうれしい。しっかり初球から打ちにいけている。打つべき球、甘い球を初球でもしっかり振りにいけたのはよかった」

　初回、先頭で小川の真っすぐを左前打し自らに勢いを付けた。3回無死一塁では「（雨で中断した）グラウンド状況を考えたときに結構、有効かなと思った」と投手前へ意表を突くセーフティーバント（記録は安打）。「今年はすごくセーフティーがいい。打ててない分、そういうところでしっかりやっていきたい」。試合前の打撃練習から織り交ぜていた小技で一挙5得点の足がかりを築いた。「今日は川相さんも来てくださっていた。教えていただいた左足の使い方がしっかりできたんでよかったです」と春季キャンプで臨時コーチを務めてもらった名人直伝の技の成功にうなずいた。

　4回先頭で遊撃内野安打し8回先頭では左前打。昨年11月1日以来の4安打で打率も今季最高の・215まで引き上げた。矢野監督は試合後、試合前に近本のバットに「打てるぞ」とおまじないしたことを明かし「火曜日もします」と縁起をかつぐことを約束した。

　「本当に今まで周りに支えてもらって。足を引っ張ってましたけど。今日みたいに自分が塁に出て、しっかり還ってくる。明日からもしっかり頑張っていきたい」。巨人戦を前に「脅威の1番」が本来の姿を取り戻しつつある。　
　　（阪井　日向）