槙原寛己氏がマー君初登板を分析 日本仕様の配球、「外角低め」の原点を見直すいい機会

[ 2021年4月17日 18:48 ]

<日・楽(5)>1回2死一塁、中田に左中間への先制2ランを打たれる田中将(撮影・沢田 明徳)
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 楽天・田中将の日本復帰初登板を、スポニチ本紙評論家の槙原寛己氏(57)が分析した。2発被弾で5回3失点も上々の内容と評価。外角低めのフォーシームという田中将の原点を見つめ直すいい機会にになったと指摘した。

 この結果を悲観する必要はない。序盤に2本塁打を許して5回3失点。楽天・田中将にとって、自分の投球の原点を見直すいい機会になったはずだ。

 外角低めのフォーシームで見逃し三振。それが8年前まで日本での原点だった。この日の田中将は、メジャーで多投したスプリットを少な目にして、フォーシームを軸にスライダー、カーブ、ツーシームを投げ分ける日本スタイル。メジャーでは振ってくれる低めに落ちる球を、日本の打者は見極めてくることからの日本スタイルだった。ただ、肝心の外角低めを狙ったフォーシームがことごとく高めに抜けていた。

 日本復帰初戦という力みもあったろう。外角低めのフォーシームで見逃し三振は一つもなかった。日本スタイルなら、8年前までのようにフォーシームを外角低めにきっちりコントロールすることが不可欠だと感じたはずで、適応能力が極めて高い投手だけに、次回登板で間違いなく修正してくると思う。

 2本塁打はいずれも投げ損じの球。初回に先頭の西川をフォーシームで空振り三振に仕留め、田中将も捕手の太田も「ボールが走ってる」と感じ、中田に強引にフォーシームで勝負に行った。それが外角高めに甘く入って打たれたもので、2回の石井の一発も高めのフォーシーム。狭い東京ドームで高めに投げ損じは禁物だ。この2球もフォーシームのコントロールを改めて見直す機会になる。

 それでも、スピードは150キロ台が出ていたし、守備を含めた動きにも故障の影響は感じない。復帰初戦としては上々で、余力を残して75球で交代。ここからローテーションに入って田中将らしい投球が見られるだろう。

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2021年4月17日のニュース