心はいつも故郷に 阪神・岩貞が炎の無失点救援 実家が被災した熊本地震から5年「忘れてはいけない」

[ 2021年4月17日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神2ー0ヤクルト ( 2021年4月16日    甲子園 )

<神・ヤ>好投に思わず笑顔がこぼれる阪神・岩貞(撮影・大森 寛明)
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 阪神・岩貞は思いきり腕を振った。低めスライダーで中村のバットに空を切らせ、ホッと息を吐いた。

 「晋太郎(藤浪)もいいピッチングをしていた。その後の小林も気迫あふれるピッチングで、流れに乗って、腕を振って投げることができた」

 7回1死で小林からバトンを受けた。最初に迎えた代打・松本友を高めスライダーで空振り三振。山崎には内野安打されても、慌てなかった。2日の中日戦から4試合連続でホールド。16年に発生した熊本地震から5年目の「4・14」からは初めてマウンドに上がり、復興を目指す故郷へ2三振の好救援を届け、3戦連続の零封勝利にも貢献した。

 「もう5年、ものすごい早い…。時間とともに街も戻ってきて、うれしい限りですけれども、自分もこうやって投球で熊本に携われているので、今後もそういう気持ちを忘れずにやっていきたい」

 17年から始めた故郷を対象にした野球振興の社会貢献活動も5年目を迎え、先発だった昨季までの勝利数から救援専念の今季はホールド数に応じた寄付や野球道具の寄贈へ形を変えた。

 熊本地震では実家も大きな被害を受け、親戚や友人も被災した。毎年オフに帰省する度、復興を実感しても「忘れることできませんし、忘れてはいけないことだと思う。そういう気持ちを持ちながら、やっていきたい」と力を込めた。先発陣だけでなく救援陣も盤石。一翼の担い手として「今の状況に慢心することなく、やっていきたい」と先を見据えた。(長谷川 凡記)

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2021年4月17日のニュース