のらくろ、おめでとう!レンジャーズ・有原初勝利を広陵時代の恩師・中井監督祝福

[ 2021年4月16日 02:30 ]

ア・リーグ   レンジャーズ5ー1レイズ ( 2021年4月14日    セントピーターズバーグ )

広陵高校野球部の現役部員から「のらくろメジャーおめでとう」と祝福された有原(前列中央)
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 メジャー初勝利を挙げたレンジャーズ・有原の恩師でもある広陵(広島)の中井哲之監督(58)がスポニチ本紙に祝福のメッセージを寄せた。日本ハム入団から結婚、メジャー移籍まで、公私問わずに報告を欠かさない右腕の人情深いエピソードを、愛のある広島弁で披露してくれた。

 のらくろ、メジャー初勝利おめでとう!いまだに有原とか航平とか呼べない。携帯電話の電話帳も、ずっと「有原のらくろ」だから。3試合目での初白星、ホッとしていると思う。0勝で終わらんで良かったな(笑い)。

 凄く礼儀が正しくて、連絡は必ずある。初登板の時も登板2日前くらいに「先発をさせていただきます。しっかり頑張ります」と電話があった。「ヒゲなんて生やして」と言うと「すみません。ベビーフェースってバカにされる。なめられるんでヒゲを生やしました」と言っていた。米国は午後10時45分なのに日本の時間をきっちりと確認してから電話してきた。相変わらず礼儀正しいというか可愛いなと思ったよ。「登場曲を広陵の校歌にしとけ」と冗談で言ったけど「テープがありません」と真面目に言いよったね。僕が怖いんだろうけど、世の中に一人くらい怖い人がおらんとね。

 メジャー移籍が決まり、年明けに高校まで報告に来てくれた時はグラウンドでサプライズをさせてもらった。部員全員で「のらくろ、おめでとう」とエールを送り、クラッカーを鳴らした。印象的だったのは部員約150人に向かって、左端、真ん中、右端にそれぞれ「ありがとう」と3回、頭を下げたこと。奥さんも来ていたけど2人とも涙ぐんでいた。年下だろうが誰に対してもそれができる。これからも謙虚さは忘れないでほしい。

 広陵野球部は「ありがとう」という言葉を大事にしている。周囲に支えてもらっているという感謝の心を忘れず、米国でも息の長い選手になってほしい。(広陵高校野球部監督)

 ◆中井 哲之(なかい・てつゆき)1962年(昭37)7月6日生まれ、広島県出身の58歳。広陵で選手では3年春、夏の甲子園出場。監督では春夏通じて計19度も甲子園出場し、春は91年、03年に優勝、夏は07年、17年に準優勝。監督通算は33勝17敗1分け。野村(広島)、佐野(DeNA)などプロ野球界に教え子を多数輩出している。

 ▽のらくろ 漫画家・田河水泡の代表作。主人公「のらくろ」こと「のらいぬ黒吉」が軍隊入隊直後は何かとドジをするが、創意工夫で出世するというストーリー。中井監督は「出だしが悪い。でものし上がる。誰にでもしっぽを振らず、偉い人にこびも売らず、正しいことに進んでいく。そういうストーリーでつけた」と命名の意味を説明する。

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2021年4月16日のニュース