これが広島・誠也だ!今季46打席目“最遅”も2発の爆発力 打率も・350まで浮上 菅野撃ちも期待大

[ 2021年4月9日 05:30 ]

セ・リーグ   広島7ー11ヤクルト ( 2021年4月8日    神宮 )

<ヤ・広(3)>9回1死一塁、中越え2ランを放った鈴木誠はナインに迎えられる(撮影・島崎忠彦)
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 広島・鈴木誠也外野手(26)が8日のヤクルト戦で待望の初アーチを描いた。開幕から数えて12試合46打席目だった3回に奥川の直球を左翼席へ。レギュラーに定着した16年以降では同年45打席を超える最遅の1号で、9回にはバックスクリーンへ2号を打ち込んだ。4安打で決めた今季初の猛打賞は実らず、今季最悪11失点でいずれも今季初の連敗&カード負け越しを喫した。

 鈴木誠は、ため込んでいた力を一気に解放した。同点の3回先頭。初球の外角直球のストライクを見送り、2球目だ。内角を狙った直球が真ん中に入った奥川の失投を見逃さない。待望の1号は、左翼席中段にまで届く特大の勝ち越しソロとして生まれた。

 「甘い球を仕留めようと思っていた。ポイントがたまたま良かったのかなと思う。(0本塁打は)全然気にしていなかった」

 46打席目で描いた初アーチ。オープン戦でも本塁打はなく、2月23日の中日との練習試合以来の一発だった。久々の感触を残したまま、5―11の9回1死一塁では、1ボールからの長谷川の直球をバックスクリーンに着弾させる2号2ランとした。

 「たった1打席で(感覚が)狂うこともある。(劣勢でも)なるべく雑にならないように、集中力を切らさないように…と思った」

 初回の2死一塁では、左翼線への二塁打を放ち、5連打による一挙4点の速攻にも貢献した。7回の左前打と合わせて、今季初の4安打。強引に一発を求めることなく自らの打撃に徹してきた証拠に、打率・350にまで上昇した。

 本塁打から遠ざかっていた期間に、打撃フォームを修正してきた。今春から左足を大きく上げて、アッパー気味のスイング軌道にする新打法に挑戦。開幕直前には、レベルスイング気味に再修正した。「大胆にやらないと分からないので」。長打すらなかったオープン戦はお試し期間だったとも言える。開幕12試合を終えて、本来の長打力が戻ってきた。

 チームは、今季初の連敗となった。ただし、空砲に終わった最終回の一発は決して無駄ではない。「長いシーズン、こういう展開になることもある。(集中力が)切れることなく、みんなが最後まで戦った。明日につながる試合だったと思う」。広島に戻り、菅野が復帰する巨人を迎え撃つ準備は整った。(河合 洋介)

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