番長に初勝利をもたらした三嶋の瞬発力に拍手

[ 2021年4月7日 12:40 ]

<D・広>三嶋(右)からウイニングボールを手渡される三浦監督(撮影・島崎忠彦)
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 記者も初体験だった。その瞬間、記者室で拍手が起きた。4月4日のDeNA―広島。三浦大輔監督、就任後初勝利。雨の中で番長は目を赤くした。

 開幕9戦目。番長の秘蔵っ子の阪口皓亮が初勝利、神里和毅がダイビングキャッチの好捕と、多くの印象的な場面があった。それでも記者は、最も光ったプレーに「三嶋の瞬発力」を挙げたい。

 3―1の9回2死二、三塁。守護神は2四球などでピンチになった。3番・西川。俊足巧打の左打者を迎えた。2球目のフォークを西川が叩くと、打球は高いバウンドで三嶋の頭上を越えた。「二塁内野安打で1点差…」と覚悟した。

 だが右腕の反応が凄かった。大飛球を追う外野手のような巧みなステップでマウンド後方へ走り、グラブをはめた左手を伸ばして打球を好捕。バランスを崩さず、一塁手・牧秀悟へ軽快に送球し試合を締めた。

 春季キャンプのウォームアップから、スタート3歩でトップスピードに乗る三嶋のダッシュ力を目撃し続けた。ある選手は「ダッシュ力はチームトップ」とも話す。その身体能力が球際で生きた。投手ノックでもなかなか練習できない高難度の打球を、三嶋は「センス」でアウトにした。番長初勝利にかき消されたが、投球直後の一歩目は、称賛に値する。

 記事を書き終え記者室を出た。「祝福の嵐で大変かな」と思いつつ三浦監督にメールした。すぐ返信があった。「この1勝の重みを忘れずにこれからも頑張ります」。記者室で拍手が起こるわけだ。番長に心奪われる人間は増える一方だろう。

 でも記者は忘れたくない。今季1勝目。必死に投げ、優れた瞬発力で今季初セーブを手にした男に拍手を送ることも。(記者コラム・大木 穂高)

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