巨人・原監督が“WHY!?”今季初「伝統の一戦」雨で突然の強制終了負けに説明求める

[ 2021年4月7日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人2ー6阪神 ( 2021年4月6日    甲子園 )

<神・巨>8回攻撃前、突然のコールドゲーム宣告に両手を挙げて抗議する原監督(撮影・北條 貴史)
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 幾多の熱戦が演出されてきた「雨」と「野球」。今季初の「伝統の一戦」は、プレーボール前から降り続く雨に唐突なゲームセットを強いられた。

 ベンチを飛び出した巨人・原監督は大きく両手を広げ、審判団に説明を求めた。「ああいう状態ですぐパッと引き下がるわけにもいかない。普通はグラウンド整備をして中止なら中止というのがあるけども」。通常なら中断から30分経過後に、試合可否の判断が下されるケースである。

 4点を追いかける8回の攻撃直前だった。審判団がグラウンドを整備する阪神園芸の担当者を交えて協議し、直後にコールドゲームを宣告した。中断を経ることもなく、場内マイクの説明もなかった。観客はあっけにとられ、普段通り試合直後に六甲おろしが流れることもなかった。

 審判の判断は5回からグラウンド状況が限界に近く、7回終了時に整備してもプレー続行は不可能というもの。5回終了までに計6度、新しい土がマウンドや走路にまかれて整備されたが、コールド直前にはなかった。

 原監督は「グラウンド整備をしない状態で中止ということは、なかなかないことだったから」とした上で、説明を聞いて納得。「審判団がゲームを支配してるわけだから、それに従うしかない」と受け入れた。

 試合展開も雨に泣いた。サンチェスは何度も足元を気にし、スパイクに絡む土を払った。踏み出した左足が滑るため土の入れ替えを要求。大きく抜ける球も目立った。暴投もあり3回途中6失点。指揮官の言葉が象徴した。「雨という敵がいたのかなという感じがする。次は雨が降ろうがやりが降ろうが味方に変えるでしょう」と。

 宮本投手チーフコーチも奮起を促した。「集中力を欠いたよ。雨にも負けず、風にも負けず、の宮沢賢治でいかないと」。その詩は、多くの困難に立ち向かうさまを示し、「そういうものにわたしはなりたい」と締められている。(神田 佑)

 ▼真鍋勝已審判員(責任審判)5回くらいで限界は近かったが何とか整備してもらってクリアできた。7イニング終わったところでもう一度確認して、やっぱり限界を超えている、と。グラウンド状況が、もうプレーできるという状況ではない、と。(阪神)園芸の方とも相談して判断した。

 ▽試合続行の可否 セ・リーグのアグリーメントの第27条(2)には「試合開始後は試合続行の可否の判断は審判員が行う」とあり、通常は中断宣言から30分経過後に判断を下す。ただし、観衆が雨を避ける施設がない競技場の場合、降雨が激しく試合続行が不可能と思われた時には、30分を待つことなく試合を中止することができる。

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2021年4月7日のニュース