広島・曽根の激走が白星もぎ取った!これぞ、スペシャリストの仕事 0盗塁の“呪縛”解いた

[ 2021年4月7日 05:30 ]

セ・リーグ   広島2-0ヤクルト ( 2021年4月6日    神宮 )

<ヤ・広>7回1死一塁、二盗に成功する曽根(右)(撮影・木村 揚輔)
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 重要局面で待望の初盗塁が生まれた。7回1死。広島・佐々岡監督は四球を選んだ安部に代走・曽根を送った。リードは最少。決して鈍足ではない安部を下げてても、次の1点が欲しかった。

 続く堂林への初球。けん制を投げられた直後でも、曽根は果敢に走った。今季7度目の代走出場で初めて試みた盗塁が決まった。チームとして今季初の盗塁成功。開幕から10試合目は、06年8試合目を超える球団史上最遅。機動力を武器とする伝統からは珍しく、12球団唯一だった0盗塁の“呪縛”も解いた。

 この盗塁が効いた。堂林がカウント3―1から大下の直球を捉え、投手の足元をゴロで抜いて中前へ。曽根が一気に生還した。森下を“安全圏”へ援護する2点目だ。攻撃後には8回に打席の回る可能性の高かった松山にも守備固めを送ったように、追加点が持つ意味は大きく、佐々岡監督も分岐点に挙げた。

 「競った試合で次の1点が大きいという場面だった。(曽根)海成が初球からよく走ってくれて、堂林が大きな1点を入れてくれた。こういう点の取り方、こういう勝ち方は、週の始めから乗っていける試合になった」

 思えば、今春キャンプ中盤の実戦。主力組に代わった途中出場組が精彩を欠き、河田ヘッドコーチから「途中から出ていく選手がレギュラーより“うまく”ないとチームは強くならない」と厳しく叱られた。8年目25歳の曽根もその一人で、スペシャリストとしての自覚を求められた。本番での大仕事で面目躍如。佐々岡監督は「けん制の失敗などがあって(盗塁は)なかなか成功しなかったけど、恐れずにやるしかない。盗塁も積極的にやっていくのがチーム方針」と強調した。

 《5度目で初の成功》7回に代走で出場の曽根(広)が今季チーム初盗塁となる二盗成功。チームはこの試合まで4度の企図で失敗して、12球団で唯一の盗塁なしだった。開幕10試合目は06年の開幕8試合目を更新するチーム最遅記録。

 《堂林 値千金の適時打》堂林が7回1死二塁からの中前適時打で貴重な追加点をたたき出した。「いいところで1本が出て良かった。(曽根)海成がよく走ってくれた。チャンスをつくってくれたので良かった。打者有利のカウントだったので、積極的にいけた」。クロンの離脱もあって2試合連続で一塁で先発し、5回にはフェンスに体をぶつけながら邪飛を2度好捕。「森下が頑張っていたので何とか捕れて良かった」と攻守両面での援護を喜んだ。

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