大瀬良は助言…でも、広島・森下はチームのために完封狙った!「終わり方は大事」

[ 2021年4月7日 05:30 ]

セ・リーグ   広島2-0ヤクルト ( 2021年4月6日    神宮 )

<ヤ・広>完封勝利を挙げ、菊池涼(左)とグータッチする森下(中央)(撮影・木村 揚輔)
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 広島・森下暢仁投手(23)が6日のヤクルト戦で昨年8月14日の阪神戦以来、2度目の完封勝利を挙げた。完封は今季セ・リーグ一番乗りで、志願の続投で119球を投げきった。得点圏に走者を背負う窮地が3度あっても、最終9回に最速152キロを計測して仁王立ちした。堂々の防御率0・00で開幕2連勝。今季最多の貯金3へ戻した。

 森下は、完投では満足できない次元に入った。2―0の9回。山田の左翼線二塁打で無死二塁を背負ってから、余力を振り絞った。

 「(1点入ると)明日につながる展開になってしまう。終わり方は大事だと思うので…。最後まで点を取られたくなかった」

 村上の一ゴロで1死三塁となり、前進守備ではない内野陣形を確認。無失点で切り抜けるには三振しかない。塩見を追い込み、116球目で最速152キロまで上げた直球を内角低めに決め、見逃し三振を奪った。最後は代打・元山を二ゴロ。右拳を握った。

 8回を終えて105球。佐々岡監督に続投を志願し、9回の打席に立った。「カード初戦で長いイニングを投げたかった。完封できると思った」。1点を先制した直後の6回2死二、三塁では村上を直球で空振り三振に仕留めると、珍しくマウンド上で吠えた。6回100球、救援陣にも助けられて勝った1週間前の反省も詰め込んだ完封勝利だった。

 開幕前、大瀬良との雑談中に伝えられた助言がある。

 「チームのためではなくて、自分のことに集中していいよ。考えたり学んだりしながら、結果を残していくことがチームのためになるから。いつかはチームを背負う立場としてやってほしい。でも、いまは(野村)祐輔さん、(九里)亜蓮、俺たちでチームのことはやる。この1年間、自分のために頑張って」

 昨季は相次ぐ主力離脱で新人ながら先発陣の中心に立ち、必要以上の責任を背負っているように映ったのかもしれない。今季は昨季以上に先輩の支えがある。エースの優しさで心は軽くなった。

 「(大瀬良)大地さんは、まだまだ遠い存在。大地さんが勝てば、自分も勝ちたいと思える。いつか超えられるようになりたい」

 圧巻の15回連続無失点で開幕2連勝へ伸ばした後も、謙虚に目標とする背中の大きさを思った。(河合 洋介)

 《25年ぶりの2年連続完封》2年目の森下(広)が昨年8月14日の阪神戦以来プロ2度目の完封勝利。ドラフト制以降の広島でプロ1、2年目に完封をマークしたのは

 投手名 年 完封→年 完封
佐伯 和司71<1>→72<2>
長冨 浩志86<1>→87<2>
佐々岡真司90<2>→91<5>
山内 泰幸95<1>→96<2>
森下 暢仁20<1>→21<1>

 と25年ぶり5人目。なお、現監督の佐々岡は、過去4人の中で最長となる入団5年目まで完封を続けた。

 ▼広島・佐々岡監督 制球とか調子は良くなかったと思うけど、粘り強く投げてくれた。(8回で)100球を超えたので、代えようと思っていたけど、本当に行きたいという目をしていた。最高の勝ち方だった。

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