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【新井さんが行く!】9回打ち切りは面白い 仕掛け早く試合が活発 引き分けでも濃い内容ばかり

[ 2021年4月6日 06:00 ]

<広・神(1)>6回1死二塁、菊池涼の適時打にベンチで喜ぶ森下(中央) (撮影・奥 調)
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 コロナ下で導入された「9回打ち切り」。どうなるのかな?と思っていたら、見ていて面白い。

 もともとは政府からの営業時間短縮要請に対応するためにできたルールだけど、戦い方を変えた。延長戦のことを考えなくてもいいから、仕掛けが早い。投手の状態によっては終盤どころか、中盤から戦力をどんどん投入。選手交代が増え、采配でも攻める。動きが激しく試合が活発になる。

 一つ例を挙げれば、0―0で引き分けた広島―中日の開幕第3戦。7回に坂倉と磯村を代打で出し、8回には会沢にも代走を送った。9回は2年目の石原がマスクをかぶって、ベンチ入りした捕手4人が全員出場した。万が一に備えて捕手は1人を最後まで残すのが定石。9回で終わるという前提があるから、ベンチも腹をくくれる。

 広島は阪神戦でも6回無失点だった森下に代打を出して決勝点につなげた。延長戦があれば続投だったかもしれない。9回までしかないから戦力の出し惜しみは、いままで以上に避けたくなる。

 確かに引き分けの数は多くなるかもしれない(開幕から計53試合で早くも7試合で、過去最多の12年の74試合を大幅に上回るシーズン113試合ペース)。ただ、手の内を探り合いながらではなく、戦力をぶつけ合った結果の引き分けだから、試合の内容は濃く映る。特にDHのないセ・リーグでは投手に打順が回る度に仕掛けのチャンスが来るから、それだけ試合が動く機会が増える。

 攻撃では代走や代打、守備固めというスペシャリストの存在がよりクローズアップされる。代走で出る選手が内外野の両方を守れれば、戦術の幅が広がる。投手では役割が明確なクローザーやセットアッパーは8、9回だけに合わせて準備すればいいから、ブルペンでつくり直す作業がなくなる。準備段階での負担が減るし、継投が確立しているチームには強みになる。その意味でも、先制点が例年以上に大事になる。

 予告先発で投げ合う投手は分かっているから、この試合は野手を多めに入れて…という手もある。事前にゲームプランを練り、試合が始まれば展開に応じて動く。いままで以上にベンチワークが面白い。

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