阪神・梅野の打撃フォーム改造に隠された意外なキーワード 「あの先輩」を参考に選球眼向上

[ 2021年3月30日 05:30 ]

阪神・梅野の「進化」は一目瞭然。右が昨年の構え、左が27日、ヤクルト戦3回の構え
Photo By スポニチ

 打席に入ると大きく左足を引き、重心低く構える。改良を重ねた“21年型”。2月中旬、阪神・梅野は昨季途中から取り組む打撃フォームについて明かした。

 「オープンに構えてるんですけど、理由はボールの見方。右目で見ながら打ちにいくというのに取り組んでいて。広い視野から中に入って、インパクトにいくイメージです」

 キーワードは「目」だという。打者は利き目の左右で打席でのアプローチに違いがあり、梅野は右。つまり打席で利き目は捕手側になる。「ボールをなるべく右目で追えるように。(スクエアスタンスで)並行に構えすぎると、左だけの視界になるので」。構えをオープンにすることで右側の視界を広げた。

 「変化球、スライダーとかに(バットが)止まるようになって。四球数も一昨年と昨年では変わらないと思う」の言葉通り19年は492打席で34四球だったのに対し、120試合制の昨年は342打席で33四球と選球眼に磨きがかかった。

 フォーム変更のきっかけは、19年まで在籍した鳥谷の存在。左打ちで利き目が左の先輩もオープンに構え、きわどいボールをことごとく見極める姿を間近で見てきた。「選球眼が良い人は何か要因があると。トリさんを参考にしました」

 とはいえ、勝負するのは秒速の世界だ。「ずっと右目で見るわけじゃない。一瞬の判断でボールを少しでも見れるようになったら良い。ずっと肩を開いたままでも打てないので」。キャンプ中は、スタンスの幅を狭めるなど試行錯誤した。「どういう角度から入ろうかなとか、どれが見やすいかとか。思い切り開く時もあれば、1歩狭めたりして」。オープンという土台は固め、広さはシーズン中も状況や対戦投手に応じて微調整していく。

 迎えたシーズンではオープン戦に比べると、ややスタンスは広がったように見えた。27日の2戦目では3回1死二、三塁で田口の真ん中に入ってきたスライダーを右翼線に運ぶ2点適時二塁打。「広い視野から中に入ってインパクトに…」。その言葉を体現した会心の一打だった。(遠藤 礼)

続きを表示

2021年3月30日のニュース