10度の開幕投手を務めた東尾修氏 初大役となる7投手に求めることとは?

[ 2021年3月19日 21:54 ]

東尾修氏
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 プロ野球は開幕を1週間後に控え、12球団中11チームで開幕投手が投げた。今季は7チームの開幕投手が初の大役というフレッシュな顔ぶれ。歴代5位の10度を誇るスポニチ本紙評論家の東尾修氏(70)は真のエースという存在が減ってきている現状を指摘。今後も常に開幕を意識し、向こう数年間はその座は譲らない真のエースとなることを望んだ。

 今年の開幕投手は7球団が初めて投げる投手と聞く。今までならあまり考えにくい状況だ。昔なら各チーム、正真正銘のエースという投手がマウンドに立ってきた。ここ数年、そうしたエースというのが出にくくなってきているのではないか。

 中日・大野雄は戦略的に巨人戦に回したと聞く。楽天・田中将は国内復帰1年目ということで監督が配慮したのかもしれない。それでも調整が遅れたソフトバンク・千賀ら、投げてほしい投手がいないのは寂しい。やはり開幕投手には、エースのプライドを持って臨んでもらいたい。その座にこだわり過ぎるほど、こだわった方がいい。私もそうだった。内なる競争に勝って、外との勝負になる。あのチームならあいつだ、と誰もが認めるエースになってほしい。

 そういう意味では、初めて開幕で投げる7投手には来年、再来年以降もそのマウンドを守り、立ち続けてほしい。私自身、開幕戦との相性はあまり良くなかった。どれだけ重ねても独特の緊張感はある。特に大事なのは1~3回。そこまで大量失点なく無難にいけて、あとは運や守備の助けなども重なり乗っていけるかどうか。シーズンを見据えたペース配分などは一切関係ない。大事なのは考えることよりも、マウンドでしっかりと体が動くかどうかだろう。

  ○…今季、開幕投手に内定している投手のうち、7人が初の大役。同一年に初の開幕投手が7人は13、19年に並び最近10年では最多人数になる。なお、10年以降に初めて開幕投手を務めた51人のうち、勝利を挙げたのは18人。全体の35%だけで、10年前田健(広)、12年斎藤(日)、14年菅野(巨)、15年大谷(日)、19年今永(D)らがマークしている。

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2021年3月19日のニュース