楽天・田中将 メジャー仕込み強弱スライダーで魅せた 5回65球で勝利投手

[ 2021年3月15日 05:30 ]

オープン戦   楽天3―1DeNA ( 2021年3月14日    静岡 )

<楽・D>力投する田中将 (撮影・白鳥 佳樹)
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 【追球ズーム ここにFOCUS】「スライダー」と一言で言っても、軸球であり、決め球でもある。楽天・田中将は縦、横の変化を投げ分け、加えて、球速を変える巧みさも備える。この日のスライダーの球速帯は、128~135キロ。カウント球なのか、空振りが欲しいのか。自分の意図で、状況に応じたスライダーを縦横無尽に操縦した。

 2回先頭の細川は、少し抜き気味の128キロスライダー2つで追い込んだ。最後は145キロの高め直球で空振り三振。緩急差で翻弄(ほんろう)した。続く3回先頭の倉本は、1ボール2ストライクから、膝元へワンバウンドの132キロで空振り三振を奪った。

 「僕は元々スライダーピッチャー」と常々、語っていた。キャンプイン直後は、8年ぶりに握った日本のボールで感覚と変化量にズレを覚えていたが、確実になじみつつある。ヤンキース時代に成熟させた強弱のあるスライダーの約10キロの球速差は、日本復帰後も軸の一つとなりそうだ。

 この日、球団計測では今季最速の150キロを計測した。4回は自らの悪送球で1失点したが、細川をツーシームで詰まらせて注文通りの遊ゴロ併殺。5回の桑原は、復帰後の実戦では初めてカットボールを投げて遊ゴロに打ち取り、開幕へ着実に段階を踏んだ。

 「前回の反省を踏まえた投球をし、うまくゲームのマウンドで出せた。一定の満足度はある。球種のチョイスも良かった」。5回を65球で投げきり、勝利投手。何種類にも表情を変える「スライダー」一つにも、試合を支配する田中将の幅を感じさせた。(後藤 茂樹)

 ▼楽天・石井監督 田中将は目的意識を持ったボールを投げられていた。ピンチでどんなアウトが欲しいか。そこから逆算してのボールの使い方や配球ができている。
 

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2021年3月15日のニュース