阪神・近本&糸原で大野雄は怖くない!今季も1、2番の大本命コンビ 天敵から速攻劇見せた

[ 2021年2月28日 05:30 ]

練習試合   阪神8ー1中日 ※特別ルール ( 2021年2月27日    沖縄・北谷 )

<中・神 練習試合>初回無死、近本は右前二塁打を放つ(投手・大野雄)(撮影・椎名 航)
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 21年版1、2番コンビが難敵を攻略した。阪神・近本光司外野手(26)が27日の練習試合・中日戦で「1番・中堅」として先発出場し、初回に18打席目で今春初安打をマークした。「2番・二塁」で起用された糸原健斗内野手(28)も右前打で続き好機を拡大。一挙3得点のお膳立てに成功し、昨年の沢村賞左腕である中日・大野雄に先制パンチを食らわせた。

 よーいドンから、「チカイト」コンビが躍動した。相手先発は、これまで何度も煮え湯を飲まされてきた大野雄。そんな難敵攻略への突破口を開いたのは、初回先頭・近本だった。

 「(大野雄は)真っすぐをしっかり投げてきていると感じた。今は結果じゃない。内容をしっかり見ながら。練習ではちょっとずつやりたいことをできているので、(今後も)実戦ですり合わせていきたい」

 カウント1―2からの5球目だった。内角高めに詰まらされたが、白球はダイビングキャッチを試みた右翼手・三好のグラブからこぼれ落ちた。試行錯誤のまっただ中とはいえ、今春18打席目での初安打。さらなる高みを目指す切り込み隊長の二塁打で打線が活気づいた。

 好機を広げたのは、2番・糸原だった。カウント0―2からの3球目。見逃せばボールの内角高めを、強引に右前へ運んだ。その後、マルテの先制2点タイムリーなど計3点。左腕にとっての今春初登板という事実を差し引いても、鮮やかな先制攻撃だった。

 矢野監督が描くV構想に、「チカイト」がさっそく応えた。さる25日。昨年の同時期には「近本2番」プランを抱いていたが、一転「近本は今年も1番でと思っている。糸原もねちっこいし、つなぐこともできるし、一番(2番に)近い」と本命視した。そこから、迎えた初実戦。今春は21日の広島戦から3試合連続になるとはいえ、しっかりと結果を残し今後へ向け弾みをつけた。

 昨季もチーム最多の42試合でコンビを結成しており、互いの役割は理解している。「3番」にはドラフト1位・佐藤輝(近大)の起用プランもあり、その場合は先頭から左打者3人が並ぶ。ただ、かねて井上ヘッドコーチが「(打順を)素直に考えた時にそういうふうな並びになっている」と言うように、現時点で支障はない。昨季の1試合平均4・12点は、リーグ4位。佐藤輝を含めた新トリオが機能すれば、大幅な得点増が見込めることは言うまでもない。

 開幕までは残り1カ月を切った。目指すは16年ぶりのリーグ優勝&36年ぶり日本一。頼れる「チカイト」が、その先陣を切る。 (長谷川 凡記)

 ○…阪神は大野雄(中)と通算30度の対戦で14勝を許し、黒星を付けたのは6度だけの防御率1・90。なかでも19年9月14日にノーヒットノーランを喫し、20年に許した2勝はどちらも零封負け。最近2年の11試合で大野雄の5勝2敗、3完封、防御率1・43と抑えられている。

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