楽天・涌井、2回零封で偉業デモ パ初の3球団大役見えた「投げたいけど監督が決めること」

[ 2021年2月27日 05:30 ]

練習試合   楽天9―3ヤクルト ( 2021年2月26日    浦添 )

練習試合に先発する涌井(撮影・白鳥 佳樹)    
Photo By スポニチ

 「3・26」までちょうど1カ月というタイミングで今季初実戦を迎えた楽天・涌井が、上々のスタートを切った。ヤクルトとの練習試合に先発し、2回無安打無失点の好投。いつも通り「しっかり投げられることが確認できて良かった」とクールに振り返った。

 「球の質がどうとかいう段階ではない。ストライクが入るかどうか」。初回1死から青木を味方の失策で出塁させたが、続く山田は外角低めの142キロの直球で左飛。村上も143キロの直球で中飛に打ち取った。直球を中心に22球。「次は変化球の確認もできれば」と今後を見据えた。

 開幕投手の有力候補。「投げたいけど監督が決めることなので」としつつも、田中将、岸、則本昂も含めて「候補が4人いるので、しっかり結果を残して“任せた”と思ってもらえるように投げるだけ」と意欲を示す。西武、ロッテで開幕戦のマウンドに上がったのは計9度で、今季も務めれば歴代5位タイとなる10度目。さらに3球団での開幕投手は過去に2人しかおらず、パ・リーグのみでは史上初の快挙となる。

 石井監督は開幕投手の条件について「どれだけイニングを食べてくれるか」という点を重視。この条件をクリアする涌井は適任といえる。昨季はリーグ2位タイの20試合に先発。投球回130イニングと1試合平均の投球回6・55イニングはともにチームトップだ。日米通算177勝を挙げている田中将に引けを取らない実績もあり、開幕戦の独特の雰囲気の中で投げる経験も豊富だ。

 「何となく決めている。基本は昨年しっかり頑張った人。近いうちに、皆さんにお伝えできれば」と石井監督。決断に注目が集まる中で、昨季の最多勝右腕がヤクルトの強打者を相手に行った試運転は、力強いものだった。(重光 晋太郎)

 《10度目なら歴代5位タイ》涌井(楽)は西武で5度、ロッテで4度開幕投手を経験。楽天でも大役となれば3球団目。3球団での開幕投手は内藤幸三(金鯱36年秋、朝日42、44年、広島50年)、渡辺秀武(巨人71年、日本ハム74年、大洋77年)に次ぐ3人目、パ3球団は史上初となるがどうか。また、開幕投手10度は金田正一(国鉄、巨)、鈴木啓示(近鉄)14度、村田兆治(ロ)13度、山田久志(阪急)12度に次ぎ、東尾修(西)と並ぶ歴代5位となる。

続きを表示

この記事のフォト

2021年2月27日のニュース