マー君 高いコミュニケーション力 期待・重圧の中で…順調な滑り出し

[ 2021年2月26日 13:15 ]

松井を羽交い締めする田中将 (撮影・白鳥 佳樹)    
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 8年ぶりに復帰した楽天でのキャンプ、田中将大投手の笑顔の絶えない様子が伝わってきた。投手の守備練習ではよく声を出し、いじりも、いじられ役も買って出る。日本一になった13年当時から選手の顔ぶれは大きく変わったが、古巣にもう溶け込み始めている。

 コーチやブルペン捕手とのキャッチボールが多かったが、珍しく選手でパートナーを務めていたのが5年目、24歳の西口直人投手。「初めて一緒にキャッチボールした時は、何かイベントみたいな感じでフワフワしてました」と振り返る。

 馴れ初めが時代を感じさせた。田中将が6日にキャンプ合流するまで面識はなかったというが、実は先にスマホの中で共演していた。人気バトルロイヤルゲーム「PUBG MOBILE」。「田中さんがアメリカにいた時に、一度だけゲームを一緒にやらせていただいた」。数人でチームを組んで競うPUBGは、チャット機能で会話して作戦を立てながら戦う。他選手を通じて生まれていたそんな接点も手伝った。「自分みたいな選手でも話しかけやすいオーラを出してくれる。凄い方だなと思います」と恐縮するように話した。

 2週間の隔離期間を経て、21日に合流した3年目の救援右腕ブセニッツは、初日に「僕のアメリカンジョークを、田中だけが理解してくれた。しばらく誰とも話せてなかったし、うれしかった」と笑顔だった。ツインズ時代の18年4月には同じ試合に投げて対戦した経験もある。「これからもっと仲良くなって、いろんなことをシェアしていきたい」。まだ来日できていないが、新加入の救援左腕コンリーも、マーリンズ時代の18年8月にインターリーグ(交流戦)で同じ試合に登板。ヤンキースのライバル球団であるレッドソックス出身のカスティーヨは、14、15年に計4打席対戦し、3打数1安打だった。

 「まだ野手の方々がどういう感じなのかは正直分かっていないですが、投手は一緒に練習して何となく雰囲気は分かってきました。みんな明るくていい子たちばかりだなと思います」と田中将。期待が高い分、重圧も大きい。嫌でも注目を集めるシーズン、チームメートとの良好なコミュニケーションも大事な要素だし、そこへ向けての滑り出しもすこぶる順調に映る。(記者コラム・後藤 茂樹)

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2021年2月26日のニュース