ソフトB・大竹 新フォーム“フラミンゴ投法”で直球の質に磨き

[ 2021年2月18日 05:30 ]

新フォーム“フラミンゴ投法”で直球の質を上げる大竹(撮影・中村 達也)
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 新投法で一年間投げ抜く――。ソフトバンクの宮崎春季キャンプも後半に入っている。第5クールでは紅白戦2試合を予定。競争が激化する中で、奮闘中の選手に迫る休日インタビュー第4回は、2019年以来の開幕ローテーション入りを狙う大竹耕太郎投手(25)。フラミンゴのような新投球フォームで直球の質を上げ、リーグ連覇と5年連続日本一の戦力となる。

 ――13日のブルペンでの170球の熱投は印象に残った。第4クールを終え、今の状態は。
 「去年は肘と腰に負担がかかる投げ方で肘を痛めて離脱した。今年は腰も肘も疲れずにやれている。自分としては、そこが一番大きい。全身が協力して、球を投げている感覚」

 ――10日にシート打撃、15日に紅白戦で登板した感触は。
 「シート打撃はしっくりこなかった割に打者を差し込めてはいた。方向性は間違っていない。あとは対外試合などでどう(打者に)反応されるか。もっと力強さが出てくれば」

 ――直球の最速は、10日が135キロ、15日が137キロだった。
 「球速表示に、こだわりはない。速いにこしたことはないが、150キロを投げるから打たれないのか、そんなに簡単ではない。球速は追い求め過ぎず、打たれない質のいい直球を力強く投げるのを大事にしていきたいです」

 ――投球フォームは片足で立っている時間が長い。21年型の新フォームなのか。
 「そうですね。2年前とかは左右に揺れながら、足が倒れていった。それはシーソーの動きで右、左の体重移動で投げていた。今年は足は1本だけで、軸を大事にしている。体の中心の軸を感じた上で、それを前へと進める。練習から重心の位置を気にしている」

 ――バスケットボールを右足裏でドリブルをする練習の狙いは。
 「バスケットの足ドリブルは体の中心に軸がないと無理なので始めた」

 ――フラミンゴというか王貞治球団会長の打法に近いような…。
 「真面目に王会長の打撃フォームを見たことはありませんが、体の内側で芯が通る感じ。体の重心に近いところに意識を持っていく片足立ちで、しっかり立たないと投球にならない」

 ――オフには2年連続でオリックス・山本や大リーグ・レイズの筒香らと合同自主トレした。今回、学んだことは?
 「一個じゃまとめられないが、筒香さんには精神面的なところを勉強させていただきました。自分自身が中心にいて、その周囲に世界が広がっている感覚が大事だと。その感覚があれば大事な試合、緊張の場面だろうが、自分が中心にいれば動揺しないと。自分はまだまだ動揺するので“よえーなー”(弱いな)と思いました」

 ――今季は19年以来の開幕ローテーション入りを狙う。
 「今年の目標として一年間、先発で投げ切る。まずは開幕ローテに入らないと話にならないがアピール、アピールになりすぎてもダメ。ペースも大事」

 ――求められる部分はどこと認識するか。
 「直球で抑える。変化でかわす投球じゃなく、小手先で器用にというより強さを見たいのでは。去年も変化球はある程度安定しているので、直球の質と言われてきた」

 ――入団時からの憧れは早大の先輩左腕・和田毅。やはり、学ぶことは多いのか。
 「直接、アドバイスをもらったりはしませんが、一緒に練習したり、見て感じるものは大きい。ブルペンでも和田さんがいたら、もっと投げようと思います。同じ左の先発ですが、今年からは、追い抜いていくくらいの気持ちで。和田さんの前に、自分の名が挙がるくらいの投球をやるくらいでいきたいです」

 ――受験シーズンまっただ中。熊本で有数の進学校の済々黌出身。志望校合格の秘訣(ひけつ)は?
 「中学3年生の9月から1日10時間、勉強しました。その感覚に“つらい”“だるい”は無かった。その先に甲子園があった。目的意識ですね。高校では“野球で大学に行く”と自分の中で決めていた。どういう未来にしたい、なりたいが見えてないと。塾も自分でいったし、親に“勉強しろ”と言われたこともない。この先に何があるか。そういうところが大事と思います」

 ――プロ4年目となる今季の目標は。
 「去年は開幕の時点からつまずいた。開幕からローテに入って日本シリーズが終わるまで試合を任せてもらえるように。軸になって活躍できる一年にしたいというか、しなきゃいけない。もう中堅。自覚、責任は3年目よりあります。勝利への意識も強く感じている。日本一のために一年間、投げたい」

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