西武・平良 “自前”測定器で計り知れない探究心!「オープン戦前には150後半出したい」

[ 2021年2月4日 05:30 ]

<西武キャンプ>ブルペンで投球し153キロを計測した平良
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 【キャンプ追球 ここにFOCUS】すっかりおなじみの光景だ。最速160キロ右腕の西武・平良がブルペン入り。すると、メジャーを持ったスタッフが距離を測り、捕手の手前約3メートルの位置に黒い機器を設置する。3Dトラッキングシステムの「ラプソード」だ。

 ボールの回転数、変化量などが即座に数値化される測定器。「実際に投げているボールと投げている感覚、捕手の受けている感覚が全く違った。機械の方が正確だと思った」。19年オフに70万円以上を払い自腹で購入し、昨春から導入した。

 「回転数は全く気にしていない」。大事にしているのはボールの回転軸だ。平良のフォーシームは、回転軸が捕手に向かって左下がりでカットボール気味になる。より回転軸を水平に、伸びのある直球を目指し「ボールの回転軸、どれぐらい倒れているのかを見ています」と1球ごとにマウンド横に置いたタブレットを確認。数値を確認し、肘や指先の角度を微調整する。大きな体で、ミクロにこだわる作業を繰り返し、この日は50球を投げ込んだ。「納得のいく角度は探し中」と探求の日々。だが、キャンプイン初日から、すでに153キロをマーク。「こんなに出るとは思っていなかった」と成果を実感し「オープン戦前には150キロ後半を出したい」とした。

 宿舎に帰ってからもマッサージ、食事、風呂以外は、他の投手の動画チェックに費やす。先輩の高橋から「平良先生」と呼ばれる探究心の塊。昨季の新人王には死角も慢心もない。(花里 雄太)

 ▼ラプソード シンガポールに本社を置くラプソード社が開発した3Dトラッキングシステム。レーダーとカメラを組み合わせ、詳細なデータを測定。ピッチング用は球速やボールの回転数、回転軸、変化量などを即座に数値化することができる。MLB全30球団が導入しており、パドレスのダルビッシュは個人で購入し、自主トレなどで使っている。日本でも広島、中日など数球団が使用している。

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