東北に“神の子”帰還 マー君、日本球界最高年俸9億円プラス出来高で8年ぶり楽天復帰

[ 2021年1月29日 05:30 ]

13年日本シリーズで優勝を決め、嶋と抱き合う田中将大
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 楽天は28日、ヤンキースからFAとなった田中将大投手(32)の獲得を発表した。レギュラーシーズン24勝無敗で日本一も達成した13年以来、8年ぶりのチーム復帰で近日中に会見が行われる予定。2年契約で球界最高年俸となる9億円プラス出来高、準永久欠番だった「18」を背負うことも決まった。今年は11年3月11日に発生した東日本大震災から節目の10年。コロナ禍でも沈む世の中に、再び希望を届ける。

 コロナ下で無観客ながら球春到来を告げるキャンプインまであと4日。そんなタイミングで全国の野球ファンを驚かせるビッグニュースが東北から発信された。「マー君」が帰ってくる。GMを兼務する石井監督はオンライン会見で「優勝を狙う上で特別なピース。現場としても心強い。ホッとしました」と素直な心境を明かした。

 吉報が届いたのはこの日の午前中。電話で「お世話になります。精いっぱい頑張って優勝に貢献したい」と意思を伝えられた。背番号は入団時から背負った「18」に決定。いつかの凱旋に備え「準永久欠番」として空けていたエースナンバーだ。条件も最大限の誠意を示した石井監督は「(金額は)公開できないが球界最高年俸なのは間違いない」と説明。トップだった巨人・菅野の8億円を大きく上回る9億円とみられる。契約年数については来季メジャーに復帰できるように単年契約のプランも検討していたが、同監督は「2年契約」と明かした。

 複数のメジャー球団が獲得に関心を示していたが、コロナ下でFA市場の動きは鈍かった。そんな状況で古巣復帰の選択肢が急浮上。今年は11年の東日本大震災の発生から10年の節目でもある。運命に導かれるように移籍を決断した。13年に球団初のリーグ優勝と日本一を置き土産に海を渡ったが、プロとしてのキャリアをスタートさせた東北への愛着は強い。オフに帰国した際も被災地や小学校訪問などの活動でつながりを絶やさなかった。

 今季からチームを率いる石井監督も「震災から10年。そこに田中選手がいるということは楽天、東北の方々にとって凄く特別なこと。スペシャルな選手にしかあり得ないタイミング」と運命的なものを感じている。依然として新型コロナウイルスが世界に暗い影を落としており「元気を与えられるプレーヤー。社会全体に明るいニュースを届けてくれると思う」と期待する。

 近日中に入団会見を行い、2月上旬にも沖縄・金武キャンプに合流する見込み。歓喜の日本一から8年。まもなく「田中伝説」の第2章が幕を開ける。(重光 晋太郎)

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