【惜別球人】オリックス・山崎勝 親友の巨人・中島支えた日々が宝

[ 2020年12月30日 05:30 ]

11月の本拠最終戦で、ナインに胴上げされ笑顔の山崎勝
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 20代の若手も、40代の大ベテランも、現役を終えた後、さらに長い人生が待っている。今年は上下2回で掲載する年末恒例「惜別球人」の第2回は、パ・リーグ編。グラウンドで発揮したそれぞれの個性を生かすべく、新たな道へ踏み出す。

 仲間から胴上げをされた山崎勝は顔をくしゃくしゃにして照れた。11月6日、京セラドーム最終戦での“引退試合”。背番号62のユニホーム姿は見納めだった。チームに貢献できないことが、引き際を悟らせた。

 「戦力になれなかったこと。先輩方も見てきたし順番的に…というのもありましたが、それを覆せなかったことが全てです」

 00年ドラフト4位でダイエー(現ソフトバンク)に入団し、13年オフにオリックスにFAで移籍。巧みなリードで投手陣を支え、人情味あふれる性格はチームの誰からも慕われた。

 人柄がにじみ出たのは、プロ生活で印象深い出来事を尋ねた時。幼なじみの巨人・中島の存在だった。「(中島が)移籍1年目の時に結果が出ず、苦しんでいたから、走り込みというかランニングに誘ったんです。一からやろうぜって」。11年ソフトバンクでの日本一という栄誉より、同郷の親友と走った日々がうれしかった。

 来季からバッテリーコーチを務める。「経験は伝えられるけど、人によって合う、合わないはあるのでコミュニケーションは大事。ただ、試合が始まりマスクをかぶれば孤独。だから、自分で考えて勝てるリードができる選手になってほしい」。信頼を築き主体性を育む。チームを勝利に導く人材育成に力を注ぐ。(湯澤 涼)

 ◆山崎 勝己(やまざき・かつき)1982年(昭57)8月16日生まれ、兵庫県出身の38歳。報徳学園から00年ドラフト4位でダイエー(現ソフトバンク)入団。06年に正捕手となり07年と2年連続100試合以上出場。13年オフにFAでオリックス移籍。1メートル80、88キロ。右投げ右打ち。

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2020年12月30日のニュース