阪神・糸井 40歳迎える来季のレギュラー奪回へ決意「しっかり体を万全に」

[ 2020年12月21日 05:30 ]

車椅子ソフトボールで打球を放ち笑顔で一塁に向かう糸井(撮影・後藤 正志)
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 阪神の糸井嘉男外野手(39)が20日、大阪府東大阪市の「ウィルチェアスポーツコート」で車いすソフトボールチームと交流を図り、ハンディをものともせずプレーする選手らに刺激を受け、来季のレギュラー奪回への決意を新たにした。

 「僕も、すごい先輩を蹴落としてきて。そういう世界なんで。試合に出るにはチーム内の競争もあると思うので、僕はしっかり体を万全にしてやるだけ」

 今季は86試合出場で打率・268、2本塁打、28打点。09年に日本ハムで定位置を奪って以降では最悪の成績に終わった。来年7月で40歳。年齢的にも背水のシーズンとなることは自覚している。9日の契約更改では球団史上最悪の2億1500万円減の推定年俸1億8500万円で単年契約。「あかんかったらこうなる世界。自分はレギュラーではないと思っています」と現状を正面から受け止めた。

 ただ、今季は前年10月に左足首にメスを入れ手術明けのシーズンだった。昨年の同イベントも「松葉づえをついていたんで。トレーニングというか、運動ができなかったんで一緒にやらせてもらっていました」とリハビリを兼ねて参加していた。今回は紅白戦後、柵越えに挑戦したもののなかなか出ず、「立と!」と車いすから立ち上がって打つふりをして笑いを誘うなど体の状態は良好。来春キャンプからフル回転できる態勢にある。

 ただ、外野の定位置獲りのハードルは高い。近本がさらに成長し、韓国リーグで本塁打&打点の2冠に輝いた韓国・KTのロハスJr.の獲得が秒読みで2枠は決定的な状況。さらに矢野監督はドラフト1位・佐藤輝(近大)の外野手起用を明言しテレビ番組内では開幕スタメン候補にも挙げた。現時点では佐藤輝、陽川、高山らと、残る「右翼」を争う構図となっている。

 高い身体能力とパワーを最大の武器に不動の地位を築いてきたが、来季は挑戦者の立場となった。最初の標的は「開幕スタメン」の座。訪れたピンチをはねのけて華麗な復活劇を見せ、超人ぶりを再び証明したい。(山添 晴治)

 ≪東大阪市の野田市長も感謝≫公務がなかった東大阪市の野田義和市長(63)も交流会に駆けつけ「ウィルチェアスポーツコートは生きる力をつくる場所だと思っているので、強力な助っ人が現れてうれしい」と糸井の活動に改めて感謝。将来的な同市のスポーツ大使就任については「糸井さんと阪神タイガースの事情が許せば、ぜひともお願いしたい」と前向きな姿勢をみせた。

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