広島・野村 現状維持でサイン デビューから連続先発登板187試合のプロ野球記録まであと2

[ 2020年12月8日 05:30 ]

契約更改を終えて、会見で笑顔を見せる野村
Photo By 代表撮影

 2年契約の1年目を終えた広島・野村祐輔投手(31)は7日、広島市内の球団事務所で契約更改交渉し、現状維持の推定年俸1億2000万円でサインした。あと2試合で広島などで活躍したミンチーが持つデビューからの連続先発登板187試合のプロ野球記録に並ぶ。来季は先発ローテーションの完走を目標とし、将来までを見据えた「ぶっちぎり」での記録更新に意欲を見せた。

 順調ならプロ野球記録をすでに更新しているはずだった。野村は12年のデビューから今季終了まで185試合連続で先発登板。今季はプロ9年目で自己最少13試合登板に終わり、ミンチーが持つ187試合を上回ることはかなわなかった。

 「悔しいの一言。キャンプのケガで始まり、ケガで終わったシーズンだった」

 2月に右ふくらはぎ痛で春季キャンプを離脱。コロナ禍による開幕延期期間も2軍暮らしが続き、昇格したのは7月下旬だった。さらに10月15日の巨人戦では不調を訴えて2回降板。同17日に右鎖骨下静脈の「血栓症除去術」を受けた。「(血栓症の)影響は分からないけど、自覚症状が出たのは最後の方だった」。昨季と同じ6勝で防御率は4・53と3年連続の4点台。不本意なシーズンだった。

 巻き返しを期す来季は、記録更新が通過点となる。「たくさん先発をやらせていただいた。これからもずっと(先発を)任せてもらえるような投手になりたい」。先発へのこだわりは、ぶっちぎりでの記録樹立を意味する。今季台頭した森下、遠藤ら若手の先発陣に席を譲るつもりは毛頭ない。

 「年長者かもしれないけど、他のチームを見るとそうではない。自分もまだまだという気持ちで若い選手と頑張りたい」

 約16分間の取材対応で「開幕からローテを守る」と3度も口にした。17年から4年連続でコンディション不良による出場選手登録抹消を経験。個人成績についての目標は避け「まずはケガなく1年戦うことが一番」と強調した。

 術後の経過は順調で、すでにキャッチボールなど通常メニューをこなす。春季キャンプ序盤から投球練習を行う予定だ。「投手陣を引っ張っていかなければいけないと思っている。その思いをずっと持って戦っていきたい」。来季はプロ野球記録保持者として、先発陣の先頭に立つ。(河合 洋介)

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2020年12月8日のニュース