阪神・井上　目指すは村上ロード!　フェニックスLで飛躍、1軍で本塁打量産、高卒2年目で新人王!!

フェニックス・リーグ   阪神7－1ヤクルト （ 2020年11月18日    アイビー ）

＜フェニックスリーグ　ヤ・神＞　1回無死一、二塁、左越え3ランの井上（右）は平野コーチに迎えられる（撮影・大森　寛明）
Photo By スポニチ

　「みやざきフェニックス・リーグ」に参加中の阪神・井上広大外野手（19）が、18日のヤクルト戦で2試合連続本塁打を放った。来季は1軍での活躍が期待される若き主砲は、自身と同じ高卒1年目終了時のフェニックス・リーグで本塁打を量産し2年目に36本塁打を記録しセ・リーグ新人王に輝いたヤクルト・村上と同じ道を歩むことを意識。チームメートで新たなライバルとなるドラフト1位・佐藤輝にも対抗心を燃やした。

　来季に向け心技体全てを磨くとともに、新たなアピールの場となる宮崎。ウエスタン・リーグ同様、4番に座り続ける井上が、再び圧倒的な長打力を示した。初回、1点を先制し、なおも無死一、二塁。右サイド・市川の初球、内角低め速球を捉えた一撃は左翼フェンスを軽く越えた。推定飛距離120メートルの豪快な一発に、思わず笑みが浮かんだ。

　「1本出て気持ち的にも楽になったので。昨日（17日）打った形のまま、しっかりと今もスイングできている。これを継続してやっていきたい」

　フェニックス・リーグ8試合目にして初アーチを放った17日楽天戦に続き、ミスショットすることなく一振りで仕留めた。

　2年目を迎える来季に向け、理想とするのがヤクルト・村上だ。1年目に参加した同リーグで歴代最多10本塁打。確かな自信をつかみ2年目のシーズンでは36本塁打を放ち新人王を獲得した。未来の大砲が歩む道について平田2軍監督の口調も自然と熱くなる。

　「1年目は、ある程度、お客さん扱いで4番にずっと座らせたけど、もう来年は（1軍の）戦力になってもらわないと。矢野監督もそのために1軍を経験させてるんだから」

　10月14日の中日戦から計6試合に出場し11打席でわずか1安打。それでも、中日・大野雄ら主戦級と対戦したことに大きな意義がある。村上もシーズン1年目は同じ6試合で12打数1安打。類似する成績がジャンプアップを予感させる。

　「早い段階から上（1軍）でやって自分の課題が見つかっている。ここで力を付けて、上で結果を出していかないといけない」と強い口調で言い切り、新人王のタイトルについても「最終的にたどり着けたらいいです」と意欲をみせた。

　新たなライバルとなるドラフト1位・佐藤輝も新人王を目標に掲げる。「（刺激は）あるんですけど、その人ばかりを意識して勝負すると、自分の結果につながらない。自分のやるべきことをやって、それから」。“村上ロード”を歩んで行けば、おのずと答えは出る。　（阪井　日向）