阪神ドラ5・村上 目標は近本“先輩”とお立ち台 同じ淡路島出身「島のみんなに見てほしい」

[ 2020年11月19日 05:30 ]

阪神との仮契約交渉を終えた東洋大・村上頌樹(阪神球団提供)
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 阪神からドラフト5位指名された東洋大・村上頌樹投手(22)が18日、埼玉県さいたま市内のホテルで入団交渉し契約金4000万円、年俸720万円(金額はいずれも推定)で仮契約した。即戦力として期待される兵庫・淡路島出身の右腕は、智弁学園の2学年先輩にあたる巨人・岡本和真らを封じて打倒巨人を果たし、同島出身の近本とともに、お立ち台に上がることを目標の一つに掲げた。

 島民にパワーを与える存在は1人よりも2人の方が絶対にいい。仮契約を終えた、淡路島の南にある南あわじ市出身の村上は、同島の北に位置する淡路市出身でルーキーイヤーから2年連続盗塁王に輝くなど「憧れの存在」である近本とともに、甲子園のお立ち台に立つことを夢見た。

 「同じ淡路島(出身)として、先輩が活躍しているのをずっとテレビで見ていた。自分もそういう選手に、淡路島の憧れの選手になっていきたいと思います。2人でお立ち台に立ってインタビューされるっていうのは本当に光栄ですし、その姿を淡路島のみんなに見てほしい」

 指名順こそ5番目だが、球団は即戦力として位置付けている。智弁学園3年春の16年選抜ではエースとして初優勝の原動力となり、東洋大でも1年春からリーグ戦に登板し3年春は6勝無敗、防御率0・77で優勝に大きく貢献した。最速149キロ速球にキレ味鋭いスライダーなど変化球も制球良く配す投球を、担当の吉野誠スカウトは今季開幕投手を務めるなどチーム最多11勝した西勇に例える。

 「西もコントロールがいいピッチャーなので、非常に似ているのかなと思います」

 今季、優勝した巨人に8勝16敗と大きく負け越す中、西勇は3勝1敗、防御率1・77を誇った。村上が同等の活躍を見せれば、その差はさらに詰まる。村上から打倒巨人を切っても切り離せないのが今季本塁打王に輝いた岡本の存在だ。智弁学園の2学年先輩にあたり、1年夏はともに甲子園に出場した。「対決したらやっぱり三振を取りたい。イメージはできている」。虎党にとって何とも頼もしい言葉を発した。

 大学最後となった今秋リーグ戦では開幕戦で右前腕の肉離れを発症し以降、登板はなかったが確実に回復。「今はピッチングもしています。(捕手が)座って投げてはないですけど、普通に練習はしています」と明かし、来年1月の新人合同自主トレ参加にも問題はない。

 選抜V腕で甲子園は相性の良い場所でもある。「自分の中では、いいイメージなので、そこはプロの世界でも発揮していければいいかなと思います」。本拠でのG倒は最高のステータス。近本と「淡路島コンビ」でのお立ち台――。何度でも見てみたい。 (須田 麻祐子)

 ▽淡路島 兵庫県に属する瀬戸内海東部の島。淡路市、洲本市、南あわじ市の3市で構成される。面積はグアム島とほぼ同じ約592平方キロで人口約13万人。本州の兵庫県明石市とは「明石海峡大橋」、四国の徳島県鳴門市とは「大鳴門橋」で接しており、島を縦断する神戸淡路鳴門自動車道で直結。歴史書「古事記」「日本書紀」の冒頭で日本で最初に生まれた「国生みの島」の伝説で知られる。今年8月、総合人材サービス大手の「パソナグループ」が24年5月末までに主な本社機能を東京から移転する計画を発表。また淡路市「淡路島公園」内で同社が手掛けるアニメテーマパーク「ニジゲンノモリ」に10月、怪獣「ゴジラ」の実物大オブジェを配した体感型アトラクションが登場。18年には淡路市の西海岸に人気キャラクター「ハローキティ」がテーマの創作レストラン「HELLO KITTY SMILE」がオープンするなど近年、度々ツイッターに「淡路島」がトレンド入りしている。

 ▽村上&岡本の甲子園VTR 智弁学園時代の14年夏に出場。8月15日1回戦の明徳義塾戦で「3番一塁」で先発した3年の岡本は3回に左前適時打、6回右前打の4打数2安打1打点も期待された本塁打は出ず。7回2死から立ったマウンドでは2/3回を3安打2失点だった。左翼守備で途中出場の1年村上は、8回1死から岡本をリリーフし2/3回を2安打無失点。打撃は2打数無安打で試合は4―10で敗れた。

 ◆村上 頌樹(むらかみ・しょうき)1998年(平10)6月25日生まれ、兵庫県南あわじ市出身の22歳。小1から野球を始める。中学時代はアイランドホークスに所属し3年時にジャイアンツカップ出場。智弁学園では1年夏からベンチ入りし1年夏、3年春夏と3度甲子園出場。東洋大では1年春からリーグ戦登板し通算12勝。1メートル74、75キロ。右投げ左打ち。

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