広島に期待膨らむVの使者! 新外国人クロンは長距離砲エルドレッド型、ネヴァラウスカスは先発ルイス型

[ 2020年11月17日 05:30 ]

広島が獲得を発表したケビン・クロン(ゲッティ=共同)
Photo By ゲッティ=共同

 広島は16日、来季の新外国人選手として前ダイヤモンドバックスのケビン・クロン内野手(27)=1メートル95、115キロ、右投右打=、前パイレーツのドビーダス・ネヴァラウスカス投手(27)=1メートル90、102キロ、右投右打=と、それぞれ合意に達したと発表した。前者は3Aで本塁打王の実績を持つ大砲候補。後者はリトアニア出身で初のメジャーリーガーで、先発として期待される。(金額は推定)

 3年ぶりの覇権奪回へ、新助っ人の調査を続ける広島がいち早く獲得発表したのは、チームの補強ポイントに合致する大砲、先発候補だった。クロンは契約金30万ドル(約3150万円)、年俸80万ドル(約8400万円)、ネヴァラウスカスは契約金25万ドル(約2620万円)、年俸62万5000ドル(約6560万円)で、それぞれ合意した。背番号は未定。

 クロンはダイヤモンドバックス傘下の3Aレノで昨季38本塁打を放ってキングに輝き、打率・331、105打点を挙げたスラッガーだ。球団首脳は、在籍7年間で通算133発を放った「エルドレッドのようなタイプ」と表現。朝山打撃コーチは「引っ張りだけじゃなく、右中間にも本塁打を打っている」と日本球界で成功する要素を挙げつつ「2割8分、30本は超えてほしい」と期待する。

 ファーストが主で三塁も守り、マイナーリーグが中止となった今季は、メジャー8試合に出場。無安打に終わったが、昨季は6本塁打の実績がある。球団を通じて「広島でプレーする機会を与えられて、とてもエキサイティングな気持ち。優勝を届けたい」と抱負を語った。ちなみに、メジャー通算118発のC・J・クロン(タイガース)は実兄だ。

 一方のネヴァラウスカスはMLB史上初のリトアニア人メジャーリーガー。155キロ超の直球で押すパワー投手で、広島在籍2年間で26勝を挙げたコルビー・ルイスのように真上から投げ下ろす。マイナーでは58試合に先発しているが、今季の17試合を含めメジャーでの登板76試合は全て中継ぎで、通算1勝4敗、防御率6・81。

 球団は先発として見込んでおり、佐々岡監督はローテーション争いの激化を期待する。球団首脳は“2年越しの恋人”だったと明かし「リトアニア出身でまだ27歳。急成長する可能性がある」と力を込めた。ネヴァラウスカスは「この新しい経験や機会にとても興奮している。チームを勝利に導けると願っている」とコメントした。(江尾 卓也)

 ◆ケビン・クロン 1993年2月17日生まれ、米カリフォルニア州出身の27歳。高校時代の11年、ドラフト3巡目(全体92位)でマリナーズから指名を受けるも契約せず大学進学。14年ドラフト14巡目(全体420位)でダイヤモンドバックスと契約。19年5月24日のジャイアンツ戦でメジャーデビュー。1メートル95、115キロ。右投げ右打ち。

 ◆ドビーダス・ネヴァラウスカス 1993年1月14日生まれ、リトアニア共和国出身の27歳。09年にアマチュアフリーエージェントでパイレーツと契約。17年4月24日のカブス戦でデビュー。史上初のリトアニア人メジャーリーガーとなった。先発経験はなく、メジャー通算76試合すべてリリーフ。1メートル90、102キロ。右投げ右打ち。

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