巨人・阿部2軍監督「息子以上、弟未満みたいな存在」坂本天性のインサイド打ち驚嘆「俺がやったら肩脱臼」

[ 2020年11月9日 05:30 ]

巨人・坂本 2000安打達成

19年6月1日、通算400本塁打を放った阿部(左)とサヨナラ本塁打を放った坂本はお立ち台で笑顔
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 巨人・阿部慎之助2軍監督(41)が、自身と同じく通算2000安打を達成した坂本に祝福のメッセージを寄せた。才能を見込んで1年目のオフにグアム自主トレに帯同し、次代のリーダーとして期待。15年から主将も託した弟分の成長や思い出を語った。

 驚異的な早さ。凄いという言葉しかない。主将を務めながら、結果を残して背中で引っ張っている。勇人が19歳のとき「10年後は勇人が中心になってやってほしい」とインタビューで答えた。本当にそうなってくれてうれしいね。

 1年目のオフからグアム自主トレに誘った。その年の9月、初安打が中日戦の12回、代打で決勝打。大事な場面でいきなり出て、ポテンヒットだったけど、持っているなと。ほとんど話したことはなかったけれど、連れて行こうと思った。

 まだ痩せていてパワーもなかったけど、最初から野球に対する姿勢は素晴らしかった。うまくなってやろうという貪欲さが誰よりもあった。だから、怒った記憶はあまりない。天性と表現される内角打ちで左肘を抜く技術は独特。教えてできるものじゃない。俺がやったら肩を脱臼しちゃうね。

 「全て完璧にスイングしてヒットを打てない。崩されてどう打つか」とよく伝えた。ストレートを待って変化球が来たときに反応できるか。ヒットを打って初めて“こんな感じで拾えるんだ”と自分でつかむもの。実際、崩されてもヒットコースに持っていくのを見る。2000安打目もそうだったしね。

 15年から主将を託した。「アホだって思われても、とにかく笑っておけ」と伝えた。落ち込んだ姿を見せると、チーム全体が下を向いちゃうから。常に見られている中で、結果を残し続ける難しさを痛感していると思う。30歳前くらいから、さらにストイックになった。体のケアとか自分に対して投資しているし、休みの前日しか飲まないと聞いた。若干やんちゃさがなくなって、面白味がなくなったのは残念(笑い)。

 昔は酔っぱらって「慎ちゃん、飲んでねえよ!」とよく絡まれたよ。遠征先の宿舎で真夜中に俺の部屋のピンポンを連打して「慎ちゃん、いるんだろ?」ってこともあった。翌朝、いの一番に「すいませんでした!」って謝りに来てね。勇人は息子以上、弟未満みたいな存在だから、許せちゃうんだよな。

 去年、俺が400号打った日に勇人がサヨナラ打を打って一緒にお立ち台に立てたのは、いい思い出。引退試合で俺がホームランを打った瞬間、一番にベンチから飛び出して喜んでくれた姿を後から動画で見たときは、感動したね。

 これからも、チームの勝利、優勝を一番に考えてやっていくと思うけど、心の奥底では張本さんや偉大な大先輩たちの記録に挑んでほしいと思う。3000安打をいいモチベーションに、今後の野球人生を送ってほしい。(読売巨人軍2軍監督)

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