中日・大野雄 吉見に成長見せた“気迫”の7回無失点 「今年で弱いドラゴンズ終わらせる」

[ 2020年11月6日 05:30 ]

セ・リーグ   中日2-0DeNA ( 2020年11月5日    ナゴヤドーム )

<中・D24>7回無失点で勝ち星を挙げた大野雄は、最後を締めた祖父江(右)からウイニングボールを受け取る(撮影・椎名 航)
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 エース自らの腕で暗黒時代に終止符を打った。中日・大野雄が7回無失点で11勝目。チームを3連勝に導き、12年以来8年ぶりのAクラスを確定させた。

 「今年で何とか弱いドラゴンズを終わらせて、来年からは優勝を目指せるチームづくりをしていかないといけないと思っていた。めちゃくちゃうれしいです」

 アクシデントにも動じなかった。5回1死二塁で細川を見逃し三振に仕留めた直後に左足がつった。それでも「いける」と足を伸ばし「自分の打順が回ってくるまでは」と7回までマウンドに立ち続け、本塁だけは踏ませなかった。

 防御率は1・82となりトップを死守。試合前の時点でわずか0・002差だった広島・森下を引き離して2年連続のタイトル獲得に前進した。奪三振との2冠が濃厚。次戦について与田監督は「森下くんの成績を踏まえながら」とし、相手右腕の数字が上回らない場合はこの試合が今季最終登板となりそうだ。

 Aクラス入りをかけた一戦は、感謝の思いを込めたマウンドでもあった。通常、登板日はキャッチボールを行わないが「今日しかできない」と引退を表明した吉見と2人で白球を投げ合い、別れを惜しんだ。登場曲もかつて先輩右腕が使用していたMONKEY MAJIKの『ただ、ありがとう』に変更。「感謝の気持ちを込めて使わせていただいた」と説明した。

 「僕のことを育ててくれたのは吉見さん。勝ちでつなぐことができて、恩返しができた」。入団時、絶対的エースとして黄金期を支えた先輩がユニホームを脱ぐ。先代の教えを胸に、新たな黄金時代をエース左腕が築いていく。 (徳原 麗奈)

 《ライバル森下はどうする?》当確の新人王とともに最優秀防御率の可能性を秘めるルーキー・森下の次回登板について、佐々岡監督は「それはまた、いろいろ考えて」と明言を避けた。DeNA戦で7回零封した中日・大野雄は、防御率1・816としてリーグトップを死守。これ以上投げない場合、森下が今季最終登板で6回1/3を零封すれば同1・813で逆転トップに躍り出るが、さて――。

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2020年11月6日のニュース