中日・吉見、今季限りで現役引退 背水の覚悟で挑んだ今季わずか1勝…熟慮を重ね決断

[ 2020年11月1日 07:00 ]

6月27日の広島戦で今季初勝利を挙げ、ガッツポーズする吉見
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 中日の吉見一起投手(36)が今季限りで現役を引退することが1日までに分かった。ドラゴンズの黄金期を支え、2度の最多勝に輝いたかつてのエース右腕がユニホームを脱ぐ。

 「精密機械」と評された球界屈指の制球力を武器に、09年に16勝で最多勝のタイトルを獲得。11年には18勝を挙げ、球団初のリーグ制覇に貢献した。

 だが、13年に右肘のトミー・ジョン手術を受けて以降、2桁勝利は一度も無く、昨季はわずか1勝。オフの契約更改では「ダメだったら終わり、という覚悟をもってやりたい」と語り、背水の覚悟で今季に挑んでいた。

 今季は投球フォームを大改造し開幕ローテーション入りも、ここまでわずか1勝。9月13日のDeNA戦で約2カ月ぶりの1軍登板も5回途中2失点で降板すると、その後は2軍暮らしが続いた。

 2軍ではチーム最多5勝をマークし、防御率2・77と安定した成績を残していたものの、1軍を主戦場に戦ってきた右腕にとってファームは葛藤の日々だったとみられる。

 さらに、先発陣は勝野や梅津、山本といった若手が台頭。球団関係者によると、吉見自身も「若い投手が出てきている」と自分の立ち位置を見つめ直す機会が増え、10月に入って進退について熟慮を重ね、引退という結論に至ったという。

 ドラゴンズのために腕を振り続けて15年。一時代を築いた男がグラウンドを去る。

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