FAとなったヤンキース田中 移籍してフィットする球団は?

[ 2020年10月30日 09:30 ]

ヤンキース・田中将大(AP)
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 大リーグのワールドシリーズが終了した翌日の28日、ヤンキースの田中将大投手(31)ら147選手がFAとなった。ヤ軍との7年契約を終えた田中は、日米通算14年目のプロ野球人生で初めてのFA。その去就が注目されている。

 田中にとってもヤ軍にとっても、理想は残留だろう。田中はチームにもニューヨークにも愛着があり、球団側も右腕の実力を高く評価している。一方で、球団はコロナ禍の無観客開催で収入に大打撃。今季首位打者の二塁手ラメーヒューとの再契約交渉を優先する可能性があり、田中へ十分なオファーを出せるかが不安視されている。

 移籍を余儀なくされる場合、果たしてどの球団がフィットするのか。大リーグ公式サイトは28日、「各球団の来季に向けた最大の補強ポイント」と題した特集を掲載。全30球団のうち、11球団が先発投手の補強が最優先と分析された。中でも興味深いのが、ホワイトソックスとナショナルズの2球団だ。

 まずはホ軍。今季はア・リーグ中地区2位で、08年12年ぶり以来となるポストシーズン進出を果たした。アブレイユを軸とする攻撃陣が充実している半面、投手陣は駒不足。新監督に歴代3位の通算2728勝を挙げている名将トニー・ラルーサ氏(76)を迎え、さらなる躍進を期している。昨季まで6年連続で2桁勝利を挙げた田中が加入すれば、チーム力が大幅にアップする。

 2年ぶりの世界一を狙うナ軍は、昨年ワールドシリーズMVPの右腕ストラスバーグが右手の神経炎を取り除くための手術を受け、わずか2試合の登板にとどまった。その影響もあり今季はナ・リーグ東地区最下位に沈んだが、復帰すればシャーザーとの2枚看板はやはり強力。田中との3本柱となれば、他球団にとってさらなる脅威となる。

 なお、大リーグ公式サイトが挙げた11球団にはヤ軍と同じニューヨークに本拠を置くメッツのほか、前田が在籍するツインズ、大谷のエンゼルス、ダルビッシュのカブスも含まれている。日米通算177勝右腕の、今オフの動向から目が離せない。(記者コラム・大林 幹雄)

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2020年10月30日のニュース