阪神ドラフト2位・伊藤 目標は大きく「ノーヒットノーランとか記録を残したい」

[ 2020年10月29日 05:30 ]

新幹線をバックに阪神の旗を持って笑顔の伊藤(撮影・篠原岳夫)
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 阪神からドラフト2位指名されたJR東日本の伊藤将司投手(24)が28日、東京都北区の同社東京支社で指名あいさつを受けた。即戦力として期待される左腕は、球団では04年井川慶以来となるノーヒットノーランの夢を掲げ、1年目は先発ローテーション入りと2桁勝利を目標にした。

 ドラフト1位の佐藤輝ばかりが注目されているが、伊藤将への期待度も勝るとも決して劣らない。将来のエース候補なら、この男だ。最速146キロ左腕も1年目からの活躍を誓った。

 「先発ローテーションに入って活躍するのと、2桁勝利は目標にしたい」

 夢はさらにデッカイ。先発投手なら誰でも一度はやってのけたいノーヒットノーランの達成だ。

 「ノーヒットノーランとか記録を残したい気持ちもありますし、チームが勝つために投げるので、そこも意識して投げたい」

 横浜高、国際武道大では5回コールドゲームでの参考記録は経験しているが、9回まで投げての達成は一度も無い。10月5日の都市対抗東京第一代表決定戦のNTT東日本戦は9回1死まで無安打…と惜しかった。結局、1安打完封で都市対抗出場を決めたものの、本音は「悔しい気持ちもあった」とやはり満足はしていなかった。
 
 球団では65年のバッキー、73年の江夏豊らレジェンドが記録している。直近では井川慶が04年10月4日の広島戦で達成したのが最後。リーグ優勝よりも遠ざかっている金字塔へ、挑む。記録にも、そして記憶にも残る選手をめざす。

 「結果を残してファンの方に名前を覚えていただけるように日々努力していきたい」

 国際武道大4年生だった2年前は左肘の故障で指名漏れを経験するなど苦難を味わった。今年、左の先発投手で5勝以上をマークしたのは高橋のみ。岩田、岩貞、ガルシア、飯田らは思うような数字を残せなかった。高校・大学・社会人を経由した24歳ルーキーの伊藤将は当然、1年目からその候補に挙がる。

 この日は畑山統括スカウト、担当の平塚スカウトから指名あいさつを受けた。ドラフト当日に使用した矢野監督のサイン入りIDを受け取り、うれしさのあまり笑顔がはじけた。指名後は祝福メッセージが友人らから200~300件届くなど時間が経過するごとに「プロ野球選手になるんだな」と実感も湧いている。輝ける未来への扉が開かれた今、熱い思いは早くも甲子園のマウンドにある。(長谷川 凡記)

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2020年10月29日のニュース