ロッテ・藤原 プロ1号は先頭初球弾 球団初の快挙「タイミングが遅れたけど、体が反応」

[ 2020年10月15日 05:30 ]

パ・リーグ   ロッテ1―4楽天 ( 2020年10月14日    ZOZOマリン )

初回、初球を右越えにプロ1号本塁打を放つ藤原(撮影・長久保豊)
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 超積極的な思考で、歴史に名前を刻んだ。ロッテ・藤原は「1打席目の1球目から、本塁打をいつも狙っている」と言った。50メートル5秒7の快足だが、2年目を迎えても「トリプルスリー」という将来の目標は変わらない。

 初回だ。1番で起用され、涌井の初球を右翼席へ運んだ。「1、2の3が崩れてタイミングが遅れたけど、体が反応してくれた」。通算41打席目で待望のプロ1号。メモリアルを先頭打者で、しかも初球打ちで決めた。球団初の快挙だった。

 大阪桐蔭時代には通算32本塁打。2年春のセンバツでは安田を擁する履正社との決勝でも先頭弾を放った。昨季は高卒新人ながら開幕スタメンに名を連ねたが、今季は開幕から2軍で打率・230、7本塁打。75三振はイースタン・リーグワーストだ。それでも、1軍では22打数8安打、打率・364。なぜ、結果を残せるのか。

 「1軍に来てからは打ち方を変えた。追い込まれて直球が来たらファウルで、変化球が来たら逆方向を意識している」と明かす。2軍では「本塁打を意識してやってきた。全部、自分のスイングをしようとした」と理想を確立するための場として割り切った。1軍では結果を重視し、臨機応変な打撃を心掛けている。3回には、2ボール2ストライクから涌井のシンカーを中前に運んだ。

 試合には敗れ、首位ソフトバンクとは9月3日以来となる3ゲーム差に。それでも藤原は「首位争いを考えても、打てるわけではない。自分の打撃だけを考えていきたい」と力を込めた。井口監督も「打席の内容もよかった」と評価。若手は勝敗を気にせず、力を出し切ればいい。それがチームの推進力になる。 (横市 勇)

 ○…藤原(ロ)がプロ1号となる初回先頭打者初球弾。プロ初本塁打が初回先頭打者本塁打は、18年4月30日ソフトバンク戦の宗(オ)以来史上45人目(パ22人目)。ロッテでは53年栗木孝幸、54年橋本力(いずれも毎日時代)、15年中村奨に次ぎ4人目となった。うち、初球を打ったのは藤原が初で、他球団を含めても16年高山(神)以来史上8人目(パ3人目)だ。なお、藤原は現在20歳5カ月。初回先頭打者本塁打の史上最年少記録は44年藤野義登(産業=初回表初球)の17歳8カ月だが、ロッテでは63年石谷訓啓(当時大毎)の20歳9カ月を抜く球団最年少記録になった。

 

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