阪神・矢野監督 来季続投へ 藤原オーナー明言「当然」 シーズン終了後に正式要請

[ 2020年10月13日 05:31 ]

続投が決定的になった阪神・矢野監督

 阪神は矢野燿大監督(51)に来季の続投を要請することが12日に分かった。既に阪神電鉄本社―球団内で方針を固めており、シーズン終了後に正式要請する予定だ。就任2年目の今季は目指した05年以来のリーグ優勝は絶望的ながら、コロナ禍で2位と奮闘。藤原崇起球団オーナー(68=阪神電鉄会長)は「当然(続投)です」と明言し、3年契約の最終年となる21年の指揮を託した。

 巨人に優勝マジック12が点灯中で、15年ぶりのリーグ優勝は絶望的。今季セ・リーグはCSがなく、目指してきた35年ぶりの日本一には厳しい情勢でも、球団はシーズン終了後にも矢野監督に続投要請する方針を固めていることが判明した。藤原オーナーも「もちろん、まったく変わっていません。何も変わったところはありません」と続投が基本方針であることを初めて明かした。

 今季は新型コロナウイルスの影響で開幕が約3カ月も延期。3月下旬には藤浪、伊藤隼、長坂の3選手の感染が判明した。迎えた巨人との開幕3連戦は全敗。当初は打線が低迷し、7月半ばまで最下位に沈む苦しい序盤から立て直した。

 9月25日には糸原、岩貞、陽川、馬場、浜地の5選手とスタッフ2人の計7人、後日判明のスタッフ2人を合わせて計9人がコロナ感染。濃厚接触者など11選手が離脱する非常事態に陥りながら、以降の15試合を7勝7敗1分けで乗り切った。

 今月10日には管理責任を問われていた揚塩健治球団社長が一連の騒動の責任を取る形で12月1日をもって辞任することを発表。グラウンド内外で難しいかじ取りを強いられた中、12日現在で47勝44敗5分けのセ・リーグ2位に付ける。

 4年目を迎えた大山は巨人・岡本と25本塁打で並び、し烈なタイトル争いを展開するなど、待望久しい和製大砲として飛躍を遂げた。高卒2年目の小幡もコロナ離脱した木浪に代わって遊撃に定着。積極的な登用で若手の台頭を引き出した。

 18年の最下位から引き継いだ昨季は奇跡的な6連勝でレギュラーシーズンを締め、最終戦での逆転3位でCSへ進出。今季も残り24試合を順当に終えれば、就任から2年連続でAクラス入りすることになる。藤原オーナーは「全員が順調にいくわけではない。いろんなアクシデントがある。その時、その時のセカンドベストを貫いている」と評価した。

 05年を最後に遠ざかるリーグ優勝は電鉄本社と球団で一致する悲願。3年契約の最終年となる21年も矢野監督に大きな夢が託されることになった。(山本 浩之)

 ◆矢野 燿大(やの・あきひろ)1968年(昭43)12月6日生まれ、大阪府出身の51歳。東北福祉大から90年ドラフト2位で中日に入団。トレードで98年からプレーした阪神で正捕手に定着。リーグ優勝した03、05年はベストナインとゴールデングラブ賞に輝き、10年限りで引退した。プロ20年間で通算1669試合に出場し、打率.274、112本塁打、570打点。16、17年は1軍作戦兼バッテリーコーチ、18年は2軍監督を務め、昨季から1軍監督に就任した。

 

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