広島・九里 投壊止めた6回無失点 佐々岡監督「同期の大瀬良抜けて“俺がやる”という気持ち」

[ 2020年9月9日 05:30 ]

セ・リーグ   広島5-1ヤクルト ( 2020年9月8日    マツダ )

<広・ヤ(9)>3回1死二塁、塩見を三ゴロに打ち取り指さす九里 (撮影・奥 調)
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 広島は8日のヤクルト戦を4投手による継投で1失点に抑えて、引き分けを挟んでの連敗を3で止めた。先発の九里亜蓮投手(29)は6回無失点で今季3勝目。7回からは島内、塹江、フランスアと「勝利の方程式」でリードを死守した。大瀬良がコンディション不良で離脱し、前回カードのDeNA3連戦では計30失点した投壊の危機を、「投手一丸」で立て直す姿勢を示した5位再浮上となった。 

 4投手でつないだ計1失点の投手リレー。その先頭を走った九里は、何度も勝利へのバトンを落としかけた。

 「1回でも長くマウンドに立ちたいという気持ちで、初回から全力で投げていました」

 3者凡退は2度だけ。4、5回は、先頭打者に四球を与えて2イニング連続で満塁を背負った。だが、5回1死満塁からは雄平を空振り三振、エスコバーを二ゴロ。「僕のリズムが悪い中、野手の皆さんがしっかり守ってくださった。そこに尽きる」。今季最多の5与四球でも、6回無失点と先発の仕事は十分に果たした。

 前回1日の中日戦は8回途中で自己最多の142球を投げた。それ以降の5試合、6イニングを投げた先発投手はゼロ。その間にK・ジョンソンが再調整、大瀬良はコンディション不良で離脱した。「チームに勝ちをつけられない投球ができていなくて申し訳ない」。4試合ぶりの白星で今季3勝では満足していないだろう。それでも、佐々岡監督は「前回140球以上投げて、6回無失点は評価してあげたい。九里は同期の大瀬良が抜けて“俺がやる”という気持ちだと思う。若い投手が多い中で(野村)祐輔とチームを引っ張っていってもらいたい」と期待の大きさは変わらない。

 前回カードのDeNA3連戦で計30失点。投壊を抜け出すには、先発のみならず「勝ちパターン」の力が不可欠である。4―0の7回。DeNA戦で2試合連続失点した島内は、先頭の塩見を四球で出塁させるも、坂口を投ゴロ併殺で切り抜けた。8回は塹江が中山によるソロ弾のみでしのぎ、9回はセーブがつかない場面でもフランスアが締めた。同監督は「(島内は)キツい場面で登板して、技術もそうだけど気持ちも大事。ゼロに抑えたことを次につなげてほしい」と背中を押す。

 チーム防御率4・38はリーグ5位。先発の2本柱は抜け、苦しい台所事情は続く。「当然、いまいるメンバーでやるしかない」と指揮官。最下位脱出につながった「コイ投一丸」に、チーム浮上のきっかけを探したい。 (河合 洋介)

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