広島・坂倉 4年目で初決勝弾 代打でひと振り 「初球から振ると決めていた」 今季初の同一カード3連勝

[ 2020年8月24日 05:30 ]

セ・リーグ   広島2-1巨人 ( 2020年8月23日    マツダスタジアム )

<広・巨(12)>8回無死、右中間に勝ち越しのソロ本塁打を放った坂倉は大喜びでナインに迎えられる (撮影・奥 調)
Photo By スポニチ

 広島・坂倉将吾捕手(22)が23日の巨人戦で4年目で初の決勝弾を放った。同点の8回に代打登場し、右中間席へ2号。遠藤との先発マスクを4試合ぶりに正捕手の会沢に譲った中、ひと振りで大仕事を果たし、首位・巨人から今季初の同一カード3連勝を決めた。 

 一時は悩みの種だった右方向の打球を見届けて胸を張った。同点の8回。先頭の代打として打席に向かいながら、坂倉の腹は決まっていた。「初球から振る」。大竹の初球のスライダーを強振すると、ライナー性の打球は右中間席で弾んだ。12試合連続無失点中だった大竹から放った今季2号ソロは、自身初の決勝弾となった。
 
 「芯に当たっていたので“抜けろ!”と思った。(好調は)自分でもよく分からないけど、積極的にいこうと決めている」。通算3本の本塁打は、いずれも巨人戦。「何かあるのかな…」と不思議な縁には首をかしげた。

 昨季までは、今回のような右方向への打球に少しばかり悩んでいた。「2軍では、流しての安打が多いのに、1軍では右方向ばかりになるんですよね。少し気になる。おそらく、変化球ばかりを捉えているということだと思います」。変化球を何とか拾う形で対応していた昨季。裏を返せば、直球を一度で仕留めきれない課題も同時に示していた。

 今季の打撃開花には、この課題克服があった。昨季14安打のうち、左翼方向は3本(21・4%)のみ。一転、今季20安打は、左翼に7本、中堅に6本、右翼に7本と同等に打ち分ける。広角への打球は、狙い通り直球も仕留めきれるようになった証。直球への不安が消えたからこそ、初球の変化球も迷わず振り抜けた。

 3試合連続でバッテリーを組んでいた遠藤との先発マスクは、正捕手の会沢に譲った。「そこは監督だったり、チームが決めること。準備だけは、毎試合しっかりとやりたい」。押し殺した悔しさは“2番手捕手”として今季から「捕手一本」に挑戦するからこそ感じられる充実感でもある。

 同一カード3連勝は今季初めて。7月14~16日に同じ本拠地で3連敗するなど今回の3連戦前まで2勝6敗1分けだった巨人に雪辱した。佐々岡監督は「やられていた分、やり返す気持ちをみんなが持っていた」とナインの反骨心を称えた。宿敵相手に最下位から逆襲ののろしを上げた。(河合 洋介)

続きを表示

この記事のフォト

2020年8月24日のニュース