東海大相模、タテジマ魂連覇 攻めて逆転…神奈川県内29連勝

[ 2020年8月24日 05:30 ]

神奈川大会決勝   東海大相模9ー5相洋 ( 2020年8月23日    横浜 )

<神奈川県決勝 相洋・東海大相模>優勝し記念撮影する東海大相模ナイン(撮影・島崎 忠彦)
Photo By スポニチ

 都道府県高野連が独自に開催する代替大会は23日、埼玉、神奈川で決勝2試合が行われた。埼玉は狭山ケ丘が昌平に競り勝って初優勝。神奈川は東海大相模が相洋を終盤に突き放して2連覇を達成した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で甲子園という目標は失われたが、関係各所の尽力で開催された特別な大会が全日程を終了。全国の約13万8000人の球児は、それぞれの未来に向けて歩きだす。

 目の前の道は甲子園にはつながっていない。それでも戦国神奈川の王座は絶対に譲らない。東海大相模には執念があった。逆転で4季連続優勝となる県内29連勝で締め、ナインは号泣。門馬敬治監督は「うれし涙ってなかなか流せない。本気で苦しんだからこそ。彼らの涙が、この大会をやらせてもらった感謝の証」とうなずいた。

 学校敷地内に寮とグラウンドを備え、恵まれた環境で絶対的な練習量を誇る名門。だが、心のよりどころとなるはずの「練習」が3月下旬からコロナ禍でできなくなった。練習再開は6月中旬。夏の甲子園も中止となったが、選手は代替大会の「県優勝」を口々に言い合った。だからこそ8回の逆転が生まれた。それまで抑え込まれた相洋の石井将吾(3年)から1番・鵜沼魁斗(同)が右翼線二塁打で突破口を開くと、西川僚祐(同)が2点適時打を放ち、DeNAの神里の弟でもある陸(同)が左中間へ逆転二塁打。耐えて、粘って、攻め抜く。「タテジマのプライド」を体現した。

 「選手は神奈川で負けないという信念を持っていた」と門馬監督。神里が「苦しかったけど、ここまでやってきたことが今日につながった」と目を潤ませれば、主将の山村も「最高の形で高校野球を終われた」と涙した。特別な夏を勝ち抜いた足跡は、彼らの何よりの財産となるはずだ。(松井 いつき)

 ▽東海大相模 1963年(昭38)に開校。野球部は69年夏に甲子園初出場。甲子園では通算42勝を挙げ、春2度(00年、11年)、夏2度(70年、15年)の計4度の優勝を誇る。OBに原辰徳(巨人現監督)、菅野智之(巨人)ら。所在地は神奈川県相模原市南区相南3の33の1。土井崇司校長。

続きを表示

この記事のフォト

2020年8月24日のニュース