楽天・涌井、開幕8連勝!「火曜日の男」菅野に負けない!「置いていかれないように」

[ 2020年8月20日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天12―2日本ハム ( 2020年8月19日    札幌D )

2回、日本ハム・王柏融を一ゴロ併殺に仕留め、一塁手を指さす楽天・涌井
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 5年間も勝ち星がなかった「鬼門」も関係ない。札幌ドームのマウンドの土を踏みしめ、楽天・涌井は心の中でつぶやいた。「見てろよ」。反骨心をぶつけた相手は打点と本塁打でリーグ2冠の4番・中田。「力勝負にいった」とギアを上げた4回の勝負はプライドを懸けた戦いだった。 試合結果

 それまで140キロ台中盤だった直球が球威を増す。初球は148キロで見逃しのストライク。2球目は、この日最速149キロで空振りを奪った。変化球のボール球を挟み、最後は再び149キロで押し込んで右飛。「広い球場で一発になりにくい。打った瞬間に(スタンドまで)いかないなと思った」と振り返った。15年10月1日を最後に勝ち星から遠ざかっていた球場の特性を利用。6月24日にソロ本塁打を被弾した相手打線のキーマンを、3打席無安打に封じた。

 8回4安打1失点。球数は110で余力はあったが続投は志願しなかった。「(開幕から)2カ月間の疲れも出てくるかもしれない。これから順位を上げていくために、ずっと良い投球をしないといけない」。主力投手として自覚は十分。先を見据えての判断だ。開幕から無傷の8連勝は球団では13年に24連勝した田中将大(ヤンキース)以来2人目で「しっかり仕事ができている。なかなか開幕から勝ち続けることはないので、できる限り続けたい」と頼もしい。

 開幕から「水曜日の男」として投げ続ける涌井は「火曜日の男」から刺激を受けている。開幕8連勝中の巨人のエース・菅野だ。「東京にいる菅野君がいつも先に勝っている。読売巨人軍の彼に置いていかれないように、頑張ります」。ライバルの前日の結果に引っ張られながら負けじと勝ち星を積み重ねる。

 チームは連敗を3で止めて2位タイに浮上。首位と1ゲーム差だ。投げるたびに円熟味と凄みが増す涌井。真夏でもクールに、淡々と白星を積み上げている。(重光 晋太郎)

 ○…ロッテから移籍した涌井(楽)が無傷の8連勝。開幕8連勝は今季の菅野(巨)も記録しているが、チームでは13年田中将大(現ヤンキース)の24連勝以来7年ぶり2人目となった。また、開幕からに限らず、移籍年に8連勝以上は09年ゴンザレス(巨=前ヤクルト)が9連勝して以来11年ぶりだ。なお、プロ野球で開幕10連勝以上は、前記田中の24連勝を筆頭に延べ25人が達成しているが、移籍1年目に達成した投手はなし。涌井が開幕からの連勝を10まで伸ばすと史上初の快挙となるがどうか。

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