西武・外崎「人生初」サヨナラ打!前打者・山川敬遠に怒りの劇打

[ 2020年7月25日 05:30 ]

パ・リーグ   西武3―2ロッテ ( 2020年7月24日    メットライフD )

<西・ロ>9回1死一、二塁、サヨナラ左前適時打を放った外崎(中央)は源田(左)らチームメートから手荒い祝福を受ける(撮影・尾崎 有希)
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 少し詰まった打球が左翼前に落ちる。その瞬間、静かに観戦を続けていた西武の本拠地・メットライフドームのファンも、さすがに歓声を上げた。サヨナラ打の外崎もナインと「密」になり、もみくちゃにされた。

 「学生時代も含めサヨナラ打の記憶がない。打球を見て“あるかな”と思ったけど、どこへ向かい喜べばいいか分からなかった」

 「人生初」のサヨナラ打は2―2の9回1死一、二塁。前を打つ山川が申告敬遠された。表情には出さなかったが内心は「くそー、と思った」と燃えていた。富士大の先輩でもある山川からは「積極的にいけよ」と声を掛けられ「ぐっと気持ちが入った」と気合は倍増。益田が投じた2球目の147キロ直球を左前に運び、決着をつけた。

 昨季自己最多26本塁打も、試合前の時点で打率・243でわずか1本塁打。これで本拠地で有観客試合となった4試合は14打数4安打、打率・286と復調気配も「直球に強いと思われ変化球勝負が多い。打撃が揺らいでいる」とこぼす。この日の4打席の計10球中、直球はサヨナラ打の1球のみ。迷いはあるが、持ち味の「直球打ち」は健在だった。

 本来なら東京五輪の開会式が開催される日でもあった。昨年11月の国際大会「プレミア12」で大会初Vに貢献した侍戦士は、五輪への思いも強い。今春には「五輪は開催されると考えて準備は続ける」と熱く語っていた。

 「辻監督には“(運を)持ってないから”と言われていた」と苦笑いも、ファンに本拠地が有観客となってから初のサヨナラ劇をプレゼント。チームは今季最多タイの貯金2とした。勝負どころで「アップルパンチ」を披露した外崎は、お立ち台を終えると両手を上げて歓声に応えた。(大木 穂高)

 ≪母校弘前実も20年ぶり4強≫この日、外崎の母校・弘前実も青森大会の準々決勝で弘前学院聖愛に8│5で勝利。「1番・中堅」の比内こころ(2年)が公式戦初本塁打となる3ランを含む4安打5打点の活躍で00年以来、20年ぶりの4強に進出した。外崎自身は青森山田からも誘いがあったが、「地元の仲間と甲子園を目指したい」と進学。冬は日課の雪上サッカーや雪上ランニングで体幹を鍛え、プロへの礎を築いた。

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2020年7月25日のニュース