新井貴浩氏 阪神・サンズは内角も打てること示した意味ある一打 広島は野手が支える時期

[ 2020年7月22日 06:30 ]

セ・リーグ   阪神9-4広島 ( 2020年7月21日    甲子園 )

<神・広(3)> 初回2死、中越えにソロ本塁打を放つサンズ (撮影・後藤 大輝)
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 【新井貴浩 視点】サンズが5回に打った適時打が2つの意味で大きかった。内角の速球を強く引っ張って打ち返したのは初めてでは。

 初回に外角スライダーを本塁打したように外寄りの半速球系を得意としてきた。あの打席は直前の内角球を見極めてカウント3―1。割り切って狙いを絞りやすいカウントで意識があったと思う。内角の強い球も打ち返せるところを見せた。この情報は当然、他の球団にも伝わる。簡単に内角を突けない…と思わせれば、得意な球も来やすくなる。

 チームとしても効果的な追加点になった。糸井が追い込まれてからの進塁打でつくった1死三塁で糸原は完璧な攻め方をされて三振。無得点なら流れが変わる局面だった。サンズの一打は糸原も救った。これが「打線」だ。

 カープの方は、いま投手陣が苦しい。得点した直後の失点も目立つ。そういう状況だからこそ、野手がたくさん点を取って投手を助ける時だ。幸い各打者とも状態は悪くない。特に堂林はボールへの入り方が素晴らしい。初回の本塁打も「振った」というより「いい反応ができた」という感覚だと思う。継投を含めて投手陣に新しい形が生まれるまでは野手陣が助けること。それがチームプレーだと思う。

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