大谷先輩に応えた!プロ注目の水谷が決勝打 戦後初の花巻東V3へ4強入り

[ 2020年7月22日 05:30 ]

岩手代替大会 準々決勝   花巻東2―1黒沢尻工 ( 2020年7月21日    岩手県営 )

<花巻東・黒沢尻工>7回、決勝適時打を放つ花巻東・水谷(撮影・花里 雄太)
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 各都道府県が独自に行う代替大会は21日、南北海道、岩手、奈良など全国で36試合が行われた。戦後初となる夏の大会の「3連覇」を目指す岩手の花巻東は、プロ注目の強打者・水谷公省外野手(3年)が決勝打を放って黒沢尻工を2―1で下し、4強入りを果たした。22日には秋田で能代松陽―ノースアジア大明桜の決勝が行われ、全国一番乗りで優勝校が決まる。

 打席に入る直前、チームメートから伝えられた魂の言葉が水谷の胸に刺さった。「勝つためにここに来たんだろ!」。1│1で迎えた7回2死二塁。4番は奮い立った。

 「正直、俺が決めてやるという気持ちでした。やってきたことを信じてスイングしました」

 右前へ値千金の決勝適時打。自らの存在意義を証明した。2回に先制したが、5回に追いつかれた。チームにとっては地区予選を含4試合目で初失点。苦しい戦いを制した一打に、伝令を送った佐々木洋監督は「当たりは良くなかったけど、思いのこもった一打だった」と称えた。

 101人の部員中、唯一の県外中学出身者。父・哲也さんは横浜隼人で監督を務める。自身も横浜隼人の縦じまユニホームに憧れを抱いたこともあったが「県外で甘えられない環境に行こうと思った」と野球留学の道を選び、大きく成長を遂げた。

 偉大な先輩からの思いを胸に最後の夏に挑んでいる。同校OBのエンゼルス・大谷は、今大会のパンフレットに「野球ができること、大会が開かれることに感謝して3年間の全てを出しきってほしいです」とメッセージを寄せた。同じ右投げ左打ち。3回には中前への当たりで果敢に一塁を蹴って二塁打にするなど、俊足強打のプレースタイルも重なる。

 23日の準決勝では、その大谷が決勝で敗れ、現チームも昨秋の決勝で涙をのんだ盛岡大付と相対する。「挑戦者の気持ちで。試合後にぶっ倒れるぐらいでいきます」と水谷。宿敵を叩きのめし、戦後初の岩手大会3連覇に王手をかける。(花里 雄太)

 ◆水谷 公省(みずたに・こうしょう)2003年(平15)1月12日生まれ、神奈川県出身の17歳。幼稚園から野球を始め、小6時にDeNAジュニア入り。東野中時代は保土ケ谷ボーイズでプレーし、3年夏に関東大会出場。花巻東では1年秋からベンチ入りし、昨夏の甲子園に出場した。1メートル84、82キロ。右投げ左打ち。

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