「雨男」阪神・青柳 執念の“完投勝利” ぬかるむマウンドで5回2失点「すべりながら投げた」

[ 2020年7月11日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3-2DeNA ( 2020年7月10日    甲子園 )

<神・D(4)> 雨のなか力投する青柳(撮影・大森 寛明)
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 泥だらけの1勝は感謝の体現だ。ぬかるむマウンドが青柳から自由を奪う。軸足となる右足は何度も横滑りし、バランスを崩す。それでも、勝利への執念だけは雨に打ち負けなかった。

 「足がすべりながら投げたり、本当に苦しいところもありました」

 5回、1点差に迫られ2死一塁でソトと対峙(たいじ)した。相手への警戒だけでなく、足場にも気を使う難所。ファウルで3球粘られながら最後は外へのスライダーでハーフスイングを誘った。ツーシームで内を意識させた上でのウイニングショット。矢野監督からも「先頭に打たれた後もしっかり抑えたというのもある。最後の、あの一球を投げ切れたというところまで全てにおいて成長を感じる」と称賛され、5回ながらチームの今季初完投勝利を記録しチームトップの2勝目を挙げた。

 逆境で背中を押されたのは、スタンドから湧き起こる手拍子と声だった。

 「昨年まで当たり前だったけど、すごい力になりました。(声援は)聞こえましたし、拍手も、頑張れという声も聞こえた」

 3月8日、巨人とのオープン戦で初めて無観客を体感。5回1失点の結果と対照的に抱いたのは“違和感”だった。「いつも僕はめちゃくちゃ緊張して、マウンド行って、そこでも緊張してストライク入ってやっと落ち着いてっていう流れ。僕レベルでも気持ちは落ちたしファンあってのプロ野球だと感じた。寂しいですよね」。受けなくなって初めて分かった声援の大きさ。満員の甲子園で投げる意味を見いだした。

 「あれだけの人が入って初めて甲子園だなと。人前で投げれば、疲労感も全然違いますけど、僕はあの環境でやっぱり投げたい」

 先発予定だった7、8日の巨人戦がともに雨天中止となり、巡ってきた有観客試合の初陣。スタンドからもらった力に、執念の勝利で応えた。

 「マウンドに上がっても雨男だったので。今年は“雨男スタイル”を貫いて頑張っていきたい」。“青柳節”もファンへのお土産になった。 (遠藤 礼)

 《青柳は5回完投》阪神―DeNAは試合成立直後の5回裏無死、降雨コールドで阪神の勝利。先発して5回2失点の青柳には完投勝利がつき、昨季4月29日、中日戦の完封に続く通算2度目の完投となった。コールドゲームによる阪神投手の5回完投勝利は06年9月12日の広島戦(広島)の安藤以来14年ぶり。甲子園では01年9月15日横浜戦の谷中以来、19年ぶりとなった。

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