三木楽天は「台風の目」ではなく「本命」 本物の強さを感じる戦い方

[ 2020年7月10日 11:38 ]

9日のソフトバンク戦。5回1死満塁、鈴木大が勝ち越し適時二塁打を放ち盛り上がる楽天ベンチ
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 負けてなお強し。パ・リーグの首位を走る楽天のことだ。7日、右前腕の張りで出遅れ、今季初登板したソフトバンク・千賀が楽天を相手に5回3失点で今季初勝利。工藤監督は「当たっている楽天打線に3点は良しとしないといけない」と率直な感想を述べた。

 初回、千賀は先頭の茂木に自己最速タイの161キロを投げ込み、ブランクを感じさせなかった。ところが、2番の鈴木大がすぐに突破口を開く。追い込まれながら、外角のカットボールを逆らわずに左前へ。2死後、4番の浅村は四球を選び、5番の島内が先制の2点二塁打を放った。

 打線全体がストライク、ボールを見極め、ファウルで粘る。初回、29球を投げさせたのも必然であり、故障明けで100球の球数制限がある千賀を追い込んだ。3回には浅村が同点ソロ。低めのカーブに対し、右膝を地面につきそうほどに折り曲げ、粘り腰で左翼席に叩き込んだ。対戦前に「一番強い」と警戒した千賀は、楽天打線の凄みを肌で感じていた。5回3失点で踏ん張ったのはさすがだ。その後8、9日の2試合は、楽天がいずれも9得点を挙げ、ソフトバンクの投手陣を粉砕してしまった。

 打率・357、9本塁打、28打点を誇る浅村を中心に、鈴木大やロメロらの加入で活性化された打線は両リーグトップのチーム打率・299。打つだけではなく、三木新監督の指導による「隙のない野球」も随所に見受けられる。昨季、日本ハムと並んでリーグ最下位だった盗塁数(48)はトップの19盗塁と激変している。犠打でも、太田がリーグトップの5犠打で成功率100%。2番の鈴木大も2度の企画をいずれも成功させている。

 昨オフ、石井一久GMは「バントやスクイズなどの精度やサインミスの多さ、走塁を含めた先の塁への意識改革が一年を通じて改善しきれなかったと感じた」と言い、長年の課題とした。2軍監督から内部昇格した三木監督はチームを変えることができ、選手では鈴木大が先頭に立っている。例えば、併殺を防ごうとする必死の一塁ヘッドスライディング。実績のある31歳がそこまでやれば、チーム全体の意識も変わる。

 先発は則本昂、岸、涌井と「エース級」が3人もいる。救援陣も奮闘しており、両リーグトップの防御率3・06が物語っている。リーグ2連覇中の西武、日本一3連覇中のソフトバンクの「2強時代」に、三木楽天が風穴を開けそうだ。(記者コラム・飯塚 荒太)

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