殻を破れぬ、清宮幸太郎 フルスイングで「スットコドッコイ」から脱却へ

[ 2020年6月9日 12:00 ]

日本ハム・清宮(撮影・西川祐介)
Photo By スポニチ

 プロ野球は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて開幕延期が続いたが、3カ月遅れでようやく始まる。当面は無観客。野球ファンはテレビ観戦するしかないが、真剣勝負ならではの緊張感がテレビ画面を通しても伝わってくるはずだ。

 19日の開幕に向け、選手は練習試合で実戦勘を取り戻している。若手にとっては最後のアピールの場だ。しかし、3年目で飛躍が期待される日本ハム・清宮幸太郎がふがいない。栗山監督の厳しい口調も目立ってきた。

 4日のロッテ戦。若手主体の打線を組み、清宮は4番で起用されたが4打数無安打に終わった。練習試合3試合で7打数無安打と全く快音が聞かれず、栗山監督は報道陣に向かってこう言った。

 「(新聞に)書いておいてよ。超スットコドッコイ。何なんだよ。怒ってるよ」

 7日のDeNA戦。若手主体の打線を組み、清宮は再び4番で起用されたが、3打数無安打に倒れた。

 「何なんだろうね、幸太郎のワクワクしなくなっちゃった感じは。打球が寂しいのよ」

 「超スットコドッコイ」、さらに「ワクワクしない」――。こう解釈した。たとえ三振しても、力強いスイングなら期待が持てる。しかし、強振できず当てにいく打撃ばかりが目立つ。積極的に打ちにいく姿勢も感じられない。だから、打席で何かやってくれそうな雰囲気もない。実戦勘を取り戻している最中とはいえ、「調整」と言える立場ではない。

 清宮は早実時代、高校歴代最多の通算111本塁打を放ち、鳴り物入りでプロ入りした。天性の柔らかさとパワー。当たれば飛ぶが、プロの投手はスピード、制球力があり、球種も豊富で、そう簡単にフルスイングはさせてくれない。1軍では、当てにいく打撃が目立つ。3年目を迎えても、それは変わっていない。投手にとって最も怖いのは、三振を恐れずに強振してくるバッター。長打力があれば、なおさら怖い。清宮に求められているのも長打力だ。合わせるような打撃でヒットを打つことではない。

 清宮は優しい性格で、天然っぽいところも育ちの良さを感じる。一方で、反骨心があるようには見えない。「超」まで付いた「スットコドッコイ」。栗山監督の辛らつな言葉はもちろん、大きな期待の裏返しだ。清宮自身も分かっているだろうが、甘んじて受け入れるだけでは何も変わらない。悔しい思いがあるなら、栗山監督を見返すくらいの気概を見せてほしい。「スットコドッコイ」には、奮起を促す意味が込められている。(記者コラム・飯塚 荒太)

続きを表示

「大谷翔平」特集記事

「始球式」特集記事

2020年6月9日のニュース