“燃えよ!ドラ5”ソフトB・柳町 逆転3ランで開幕スタメン名乗り ブルース・リー似で注目の安打製造機

[ 2020年6月1日 05:30 ]

ソフトバンク紅白戦   紅組6-2白組 ( 2020年5月31日    ペイペイドーム )

紅白戦、6回2死一、二塁、左越え3ランを放つ柳町(スポーツニッポン代表撮影)(撮影・岡田 丈靖)
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 燃えよ!ドラ5―。ソフトバンクの柳町達外野手(23)が5月31日、ペイペイドームでの紅白戦最終戦でプロ実戦1号を放った。紅組の「10番・右翼」で出場し6回、ムーアから左翼テラス席へ3ラン。慶大ではブルース・リーに似ていると周囲から言われたイケメンが、球団新人野手では06年の松田宣以来となる開幕スタメンへ食い下がる。

 映画「燃えよドラゴン」などで知られる伝説のアクションスターに似ているのは、顔だけではない。柳町が納得のスイングで“実戦1号”。「本家」並みに引き締まった筋肉が、逆方向のスタンドまでボールを運ぶことを可能にした。

 「逆方向に飛ぶのは調子がいいとき。本当に1軍を目指しているので“何とか食らい付いてやろう”という思いが、結果に結び付いたと思う」

 6回2死一、二塁。1打席目で見逃し三振に倒れたムーアとの再戦。3球目の147キロの外角直球をバットの最短距離で上から叩くと、左翼テラス席へと吸い込まれる3ランとなった。

 慶大では助監督から「ブルース・リーに似ているな」と言われたが、今は「特に(似ているとは)言われません」と苦笑する1メートル80、77キロの細マッチョ。東京六大学リーグで歴代12位の113安打をマークした“慶大の安打製造器”は、その技術に加えて、チーム活動自粛中の徹底したウエートトレーニングで体重が2キロアップ。肉体までブルース・リーに近づき、パワーも付いた。

 新人野手で唯一の1軍帯同選手となっている柳町。紅白戦5試合を10打数3安打4打点で終了。「自粛期間中に試したことが実戦にもつながっている」と手応えを口にする。

 オープン戦9試合で13打数3安打1打点だった自身の映像を見返し、同じ左の巧打者・中村晃から「まずは直球を仕留められるように」と教わった。まずタイミングの取り方を変更。マシンに打席を近づけて練習し、直球への対応力を上げた。

 工藤監督は「柳町君が、長打が出てホッとしていると思う。自信をつけた部分がある。逆方向に出たのはプラスになる。よく打ってくれた」と真っ先に名を上げて称えた。

 柳町は「今日のようにいい日もあるし三振の日もある。いい日を続けられる選手になって、1軍で入り込めるようアピールして行きたい」と意気込む。キューバに一時帰国中のグラシアルの来日は、コロナ禍で予定が立たない。柳町が06年の松田宣以来となる球団新人野手の開幕スタメンを手に入れるのも夢ではない。2日から始まる練習試合でも“燃えよ!ドラ5”。

 ◆柳町 達(やなぎまち・たつる) 1997年(平9)4月20日生まれ、茨城県稲敷市出身の23歳。小1から野球を始める。新利根中では取手シニアに所属し、2年時に全国大会優勝。慶応高では3年夏の神奈川大会8強で甲子園出場なし。慶大では1年春からリーグ戦に出場し、4年春に史上33人目となる100安打を達成。昨秋ドラフトでソフトバンクから5位指名を受け入団。1メートル80、75キロ。右投げ左打ち。

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