オリックス・清原 恩師・仰木彬さんにささげる逆転サヨナラ満塁弾 「自分の力ではない気がする」

[ 2020年5月28日 05:30 ]

今年は見られない セVSパ 交流戦名勝負10選   オリックス7-6横浜 ( 2006年5月27日    スカイマーク )

9回裏1死満塁、横浜のマーク・クルーン投手(左)から右越えに4号逆転サヨナラ満塁本塁打を放ち、笑顔でガッツポーズするオリックス・清原和博内野手(撮影・北條貴史)
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 千両役者の劇的すぎる一発だった。オリックス・清原はお立ち台で興奮気味にまくし立てた。「プロ20年間で一番うれしいホームランかもしれない」。3―6の9回1死満塁。横浜の抑えクルーンの152キロ直球を右翼席中段に運んだ。「つり銭なし」の逆転サヨナラグランドスラム。11本目のサヨナラ弾は、野村克也に並ぶプロ野球タイ記録となった。

 当時38歳。前年に巨人から戦力外通告を受け、オリックスに移籍した。「おまえの最後の花道をつくってやる」と声を掛けてくれた仰木彬氏は05年12月に他界した。このシーズンも左内転筋の故障を抱え、満身創痍(そうい)だった。それでも不思議な力が清原の体には宿っていた。「普通、クルーンのあんな速い球は打てん。(打てたのは)自分の力じゃないような気がする。ファンの皆さん、チームメート、仰木さん…」。生まれ育った関西の夜空に何度も拳を突き上げた。

 同年8月29日の西武戦でもサヨナラ本塁打を記録。通算12本はいまだ破られていない。

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