40歳 ヤクルト・石川 衰えぬ向上心 ナックルカーブ習得に励む「もっといい変化球を」

[ 2020年4月29日 05:30 ]

Zoomで報道陣の取材に応じたヤクルト・石川

 ヤクルト・石川雅規投手(40)が28日、新型コロナウイルスの感染拡大による開幕延期で生まれた自主練習期間を利用して新球ナックルカーブの習得に励んでいることを明かした。現役最多171勝のベテラン左腕はすでに指名されている開幕投手についても改めて意気込みを明言。練習時間や環境が限定される中でも、持ち前の向上心は失わない。

  ビデオ会議アプリ「Zoom」を使った会見。石川は報道陣の質問に答えながら画面越しに「これ、面白いですね」と少年のように笑った。それは新たに取り組む球種の話題の時も同じ。「もしかしたら、もっといい変化をするんじゃないか。もっといい変化球を投げられるんじゃないか。そういうのを楽しみながらやっている」。旺盛な好奇心と向上心。40歳で第一線にいる秘密が、ここにある。

 ナックルカーブはこれまで駆使していたカーブより球速が速い。シンカーなど多彩な変化球を操る技巧派だけに、さらに投球の幅が広がるのは間違いない。「五十嵐、小川だったり、いろんな投手がナックルカーブを投げる。画像を見たり、投げている投手に聞いたりしている。まだ遊び感覚だけどキャッチボールやブルペンでやっています」と力を込めた。

 身長1メートル67ながらここまで積み上げた白星は現役最多の171。悲願の200勝に一歩でも近づくための大事なシーズンとなる今季は高津監督から3年ぶり9度目の開幕投手に指名されている。40歳代の開幕投手となればプロ野球史上5人目の快挙。開幕は大幅に延期となっているが「(監督から)何の話もないので僕自身は開幕投手のつもりでできる限りの準備をしている」と気を引き締めた。

 自宅では子供たちと一緒にストレッチや体幹のトレーニングを行うのが日課だという石川は「この期間はいろいろと試せる時間だとプラスに考えている」と目を輝かせる。最後まで明るい表情で取材に応じた不惑の左腕。その視線に迷いはない。 (鈴木 勝巳)

続きを表示

2020年4月29日のニュース